※この記事は、米国 AvePoint で 2021 年 1 月 27 日付で公開された記事 “Disaster Recovery vs. Regular Data Backup: The Major Differences” を日本語編訳したものです。
誰もが自社のデータを安全に保護したいと考えているでしょう。多くの組織において、データ保護はビジネスにおける最優先事項の一つではないでしょうか。データ保護を維持するためには、従来のデータ バックアップとディザスター リカバリーの 2 つを検討する必要があります。
データ バックアップの目的は、万が一データが破損・削除した場合に備えて、特定のデータを確実に保護し、取得可能にすることです。つまり、バックアップは基本的な保護レイヤーだと言えるでしょう。
一方、ディザスター リカバリーで重視することは、ビジネスの継続性です。たとえば、オフィスの上階で大量の水漏れが発生し、自社のデータ システムにまで水漏れが広がったとします。その結果、組織のシステムが正常に機能できなくなる可能性があります。
このような場合に考慮しなければならない事項として、システムの復旧にかかる時間、新しいハードウェアや周辺機器の調達にかかる時間などが挙げられます。業務を停止させ、貴重なビジネス機会を犠牲にしてしまう事態に備え、対処するためには、ディザスター リカバリー プラン(災害復旧計画)を検討しておく必要があります。
ディザスター リカバリーに投資する必要性
ディザスター リカバリーは、例えるなら組織データの保険です。データを確実に保護するため、多大な資金と時間を投資し、インフラやプロセスを整えている企業もあります。一方で、データ保護におけるリスクを計算し、データの保管場所で災害が発生する確率を考慮した結果、ディザスター リカバリーに対してあまり投資しない組織もあります。また、業界や特定の規制遵守のために、ディザスター リカバリーに対して一定レベルの保険をかけ、データを厳しく管理している組織もあります。
自然災害や予期せぬ人災は、100% 予測することはできません。実際に、世界中であらゆる自然災害が頻繁に起こっています。ディザスター リカバリーは多くの組織にとって最重要課題となり、複数拠点ののデータ センターやクラウドに投資する企業も多数存在します。あなたの企業はいかがでしょうか…?
ディザスター リカバリーとクラウド サービス
クラウド サービス 事業者を選択する際には、その事業者がどのようなディザスターリカバリー対策を提供しているかを理解することが重要です。多くのクラウドサービス事業者は、サービスの一環としてディザスター リカバリーを組み込んでいますが、その内容は様々です。サービスに十分な対策が含まれているか、内容は何かを確認し、サービス内容が組織のニーズを満たしているかを判断する必要があります。
例えば、以下の項目を確認しましょう。
- 「稼働時間はどれくらいか」
- 「ここ数年間で、サービス停止となる事態が何回起きたか」
- 「サービス停止期間はどのくらい続いたのか」
一顧客として、組織のアプリケーションやデータの管理をクラウド プロバイダーへ委託する際にも、サービス契約前に、ディザスター リカバリーの内容が自社の重要なアプリケーションで掲げている要求に沿っているか、十分に保証されたものであるか、理解することはとても重要です。
クラウドは柔軟性が高く、オンプレミスでのデータ保護に比べ、多くの事態に対応できます。どのクラウド サービスを選択する場合にも、自社のビジネスに不可欠なアプリケーション の安全性を確保する必要があります。
では、自社独自のディザスター リカバリーを計画するにはどうすればよいのでしょうか。
ディザスター リカバリー プランを設計する際に考慮すべきこと
ディザスター リカバリーを成功させるためには、まず組織を正しく理解し、自社にとって最も重要なアプリケーションは何かを知ることです。実際に考えてみましょう。組織のコア ビジネスは何ですか?日頃の業務には何が必要ですか?ビジネスに欠かせない基幹アプリケーションは何ですか?
多くの企業で段階的な分析アプローチをとられています。上位階層(または基幹アプリケーション)を中心に計画を立て、その運用方法、運用に必要なもの、必要な人員を把握します。
次に最悪のシナリオを考えます。ビジネスに不可欠なアプリケーションがダウンした場合を想像してみます。アプリケーションがどのくらいの期間ダウンすると、取り返しのつかない損失になるのか?アプリケーションを復旧するまでどのくらい時間がかかるのか?損失を最小限に抑えるために、ディザスター リカバリー プランの作成にはどのくらいの時間とリソースを割り当てることができるのか?
最後に、日頃の業務で活用するプロセスやアプリケーションなど、その他の要素について評価をします。自社で活用するすべてのツールについて、その重要性を分析し、どのくらいの期間そのツールなしでも組織が機能できるのかを確認します。可能な限り徹底的に分析することが重要です。
最後に
バックアップとディザスター リカバリーは、どちらも不可欠であり、それぞれ異なるニーズに対応します。バックアップは、常にデータへアクセス可能な状態を維持するために重要である一方、ディザスター リカバリーは、ビジネス、企業イメージ、およびオペレーションを包括的に保護する役割を果たします。どちらも非常に重要であり、それぞれ独自のアプローチで組織のデータ保護をサポートします。
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