水曜日, 7月 17, 2024
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Azure AI Bot Service とは?メリットや料金、連携できるサービスを解説

ボットを構築するための統合開発環境を提供するサービスである Azure AI Bot Service を使えば、コードを使わずに会話型の AI ボットの構築が可能です。

本記事では、  Azure AI Bot Service の概要から利用のメリット、料金、連携できるサービスなどについてお伝えします。社内問い合わせや新入社員のオンボーディングなどの効率化を検討している企業担当者の方はぜひ、参考にしてください。

Azure AI Bot  Service とは

Azure AI Bot Service は、 Microsoft Azure のクラウドプラットフォーム上からサーバーレスで会話型 AI ボットを構築できる統合開発環境を提供するサービスです。簡単なボットであればプログラミング知識がなくても構築が可能なため、構築にかかる時間や手間を削減できます。

例えば人事や総務、経理などで従業員からの定型的な問い合わせに自動で対応するボットを構築すれば、担当者の大幅な負担削減が可能です。また、社内文書や情報の検索支援、プロジェクト管理、新入社員や中途社員のオンボーディングなど多様な業務における担当者の負担軽減、業務効率化が実現します。

Azure AI Bot  Service の構成

Azure AI Bot Service は主に、「ユーザークライアント層」「 Web 層」「 Cognitive サービス層」「外部サービス層」の 4 層で構成されています。

ユーザークライアント層は、 Web ページや LINE 、 Facebook 、Skype などのアプリでユーザーがボットを利用するツールがある層です。

Web 層は、ユーザーが発話した内容がユーザークライアント層から HTTP リクエストとして送信されたものを受け取る層で、チャネルと App Service から構成されています。

Cognitive サービス層は、会話内容をより人間が行っているような自然なものにするための AI サービスが配置されている層です。

外部サービス層は、Microsoft のサービスや外部サービスなど、チャットボットがユーザーからの質問や問い合わせに回答するための情報を参照する層になります。

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Azure AI Bot  Service のメリット

Azure AI Bot Service を利用する主なメリットは、下記の3つです。

  • ノーコード・ローコードでボットを開発できる
  • 他のサービスと連携できる
  • さまざまな言語に対応できる

ここではそれぞれについて詳しくお伝えします。

ノーコード・ローコードでボットを開発できる

通常、会話型 AI ボットを構築するには、プログラミング知識が求められます。

しかし、 Azure AI Bot Service は、ローコードプラットフォーム「 Power Virtual Agents 」と連携することで、簡単なボットであれば、ノーコード、手の込んだものであっても、ローコードで構築できます。

ボット構築のために従業員を教育したり、スキルを持った人材を新たに雇用したりする必要がないのは、 Azure AI Bot Service を利用する大きなメリットといえるでしょう。

他のサービスと連携できる

Azure AI Bot Service は後述するチャネルの利用により、さまざまなサービスと連携させることが可能です。具体的には、 LINE 、 Facebook 、 Slackなど普段利用しているサービスをとおしてボットを利用できます。

ボット作成が初めての方でも気軽に利用できるのも  Azure AI Bot Service のメリットです。

さまざまなプログラミング言語に対応できる

Bot Framework を活用すれば、 C# や JavaScript などのさまざまなプログラミング言語を使ったボット構築が可能です。対話型の UI を持つボットを構築したい場合にはBot Framework を活用した柔軟な対応が可能な点も  Azure AI Bot Service のメリットといえます。

【チャネル別】 Azure AI Bot  Service が連携できるサービス

Azure AI Bot Service には、「 Standard 」「Premium 」という 2 つのチャネルがあり、それぞれでさまざまなサービスとの連携が可能です。ここでは、チャネル別に連携が可能なサービスを紹介します。

Standard チャネルで連携できるサービス

Standard チャネルで連携できるサービスは、次のとおりです。

  • Alexa
  • Azure Communication service チャット
  • Direct Line
  • 電子メール
  • Facebook
  • GroupMe
  • kik (新規のボット開発のサポートはありません)
  • 折れ線グラフ( LINE アプリで複数ユーザーと通信するためのボットを構成)
  • Microsoft Teams
  • オムニチャネル(ボットの統合により顧客との自動会話を提供し、必要に応じて人間の担当者へシフト)
  • Outlook (プレビュー)
  • 検索(プレビュー)( Dinamics 365 統合検索の利用により、ボットがユーザーの問い合わせ対応を可能に)
  • Skype (新規のボット開発のサポートはありません)
  • Slack
  • Telegram
  • テレフォニー(プレビュー段階で追加の顧客受け入れはなし)
  • Twilio ( SMS )
  • WeChat
  • Webチャット(Bot Framework Service を使用してボットを作成するときに自動的に構成)

Premium チャネルで連携できるサービス

Premium チャネルでは、 Standard チャネルで紹介したすべてのサービスと連携が可能です。さらにユーザーが独自に構築したアプリケーションや Web サイトとの連携も行えます。

Azure AI Bot  Service の開発オプション

Azure AI Bot Service では、ボットを構築して利用できるようにするには、主に下記 3 つの開発オプションがあります。

  • Copilot Studio(旧Power Virtual Agents)
  • Bot Framework SDK
  • Bot Framework Composer

それぞれ解説します。

Copilot Studio(旧Power Virtual Agents)

Copilot Studio とは、Microsoft が開発した AI 生成ツール「 Copilot 」を作成・管理するためのコードツールです。

Copilot は、大規模言語モデルと追加の知識ソースに基づいた AI 搭載型のインターフェースです。 Copilot の適切な活用により、一般的な質問に対する回答はもちろん、複雑な会話が必要な問い合わせにも対応が実現します。

Copilot Studio はスタンドアロンの Web アプリとしても Teams 内の個別アプリとしても利用可能で、利用者の用途によりバージョンの選択が可能です。

Bot Framework SDK

Bot Framework とは、インテリジェンスボットの構築やテスト、デプロイ、管理を行うライブラリ、ツール、サービスのコレクションです。そして、ボットを構築し、 AI サービスに接続するためのモジュール式に拡張可能な SDK を含んだものを  Bot Framework SDK と呼びます。

 Bot Framework SDK を使用することで、音声の使用、自然言語の理解、質問への回答など多様な役割を果たすボットの構築が可能です。

Bot Framework Composer

Bot Framework Composer とは、 Bot Framework SDK 上に構築されたオープンソースの IDE (統合開発環境)です。具体的には、ボットを構築する際の会話エクスペリエンスの作成、テスト、プロビジョニング、管理などを行います。

Bot Framework Composer の Composer とは、ボットを構築するためのビジュアルを編集するためのキャンバスです。 Composer の利用により言語生成テンプレートを使用したボットテキストと必要に応じた音声バリエーションの応答作成、複数言語でのボット作成などが可能になります。

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Azure AI Bot  Service の料金

Azure AI Bot Service は、 Standard チャネルと Premium チャネルの 2 つがあり、それぞれ FREE プランと S1 プランが用意されています。Standardチャネルであれば、基本的に無料で利用できます。

詳しい料金体系は次のとおりです。

FREEプラン S1プラン
Standard チャネル メッセージ数無制限 メッセージ数無制限
Premium チャネル 10,000 メッセージ/月 1,000 メッセージあたり

 ¥78,.751(※)

(※)1USD = 157.5 JPY (2024年6月18日現在)

参照元:Microsoft「Azure AI Bot Service の価格」

上記以外にボット作成プランがあり、 Azure Bot Service (標準の Azure Web アプリとして動作する App Service )、Application Insights 、 Language Understanding (LUIS) 、 QnA Maker (試用版あり)、音声でそれぞれ追加料金が発生します。詳細は Microsoft の 公式サイトでご確認ください。

Azure AI Bot  Service で会話型 AI ボットを開発しよう

Azure AI Bot Service とは、会話型 AI ボットを構築するための統合開発環境を提供するサービスです。ノーコード・ローコードでのボット構築、他サービスとの連携、多様な言語への対応など多くのメリットがあり、容易なボット構築を実現します。

ボットを活用すれば、業種を問わず、社内問い合わせの対応、新入社員のオンボーディングなどが自動化され、業務効率化が可能です。人事や総務、経理など問い合わせの多い部署の効率化を検討される際は、Azure AI Bot Service を活用したボット構築をおすすめします。

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