火曜日, 9月 3, 2024
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ISMS 認証取得企業とは?調べ方や企業の特徴を解説

情報セキュリティマネジメントの重要性が高まるなか、 ISMS 認証の取得を検討する企業が増えています。本記事では、 ISMS 認証取得企業の特徴や取得のメリット、取引先が取得しているか調べる方法、取得にかかる費用などを解説します。

ISMS 認証が自社に必要かどうかを判断する際の参考にしてください。

ISMS 認証とは?

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ISMS 認証は、情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際標準規格、 ISO / IEC 27001 に基づいて運用される国際的な認証制度です。 ISMS 認証を取得した企業は、情報セキュリティリスクを適切に評価し、管理するプロセスを確立していると証明できます。

近年は標的型攻撃やランサムウェアなど、多様なサイバー脅威が増加しています。情報資産や組織の信用を守るために、各企業にはサイバー脅威に対する効果的なリスクマネジメントが不可欠です。

​​ISMS 認証が求められる理由man showing data to coworkers on large screen

近年、情報セキュリティへの関心が高まるなか、顧客や取引先は自社の情報資産を委ねる企業選びに慎重になっています。 ISMS 認証取得企業であれば、適切な情報セキュリティマネジメント体制があると見なされ、顧客からの信頼獲得につながるでしょう。

また、多くの行政機関や企業がシステム開発・運用の委託先を選定する際、 ISMS 認証取得企業を優先する傾向が強まっています。特に行政関連の入札では、この認証取得が要件となるケースが増加しています。

​ISMS 認証を取得するメリット

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ISMS 認証を取得するメリットは、企業の信頼性とブランド価値の向上です。

ISMS 認証を取得すると、適切な情報セキュリティマネジメント体制が整っていると顧客や社会から認識され、結果として企業の信頼性が高まります。特に、個人情報や機密情報を扱う業界では、ISMS 認証の有無が取引の決め手となることも少なくありません。

また、 ISMS 認証取得により企業のブランド価値が高まると、競合との差別化に成功し、新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化につながります。セキュリティ意識の高い優秀な人材に、応募を検討してもらえる可能性もあります。

ISMS 認証取得企業を調べる方法

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ISMS 認証取得企業を調べる方法について解説します。企業サイトや受け取った名刺を確認すると、 ISMS 認証取得状況が分かる場合があります。また、 ISMS 認証取得組織検索でも取得状況を確認可能です。

​​1.企業サイトや名刺を確認する

ISMS 認証を取得している企業は、取得状況を、企業サイトや名刺などを通じて、顧客や取引先に対してアピールする傾向があります。

企業サイトを確認すると、トップページに認証機関のロゴマークが掲載されていることがあります。会社概要ページの認証資格欄や、情報セキュリティポリシーページについても、 ISMS 認証取得についての記載がないか確認してみましょう。

企業の名刺にも、 ISMS 認証機関のロゴマークが印刷されている可能性が高いでしょう。名刺に認証機関のロゴマークがあると、企業の情報セキュリティマネジメントへの取り組みを示せるため、取引や商談の際に相手に信頼感を与えられます。

2.ISMS 認証取得組織検索を利用する

ISMS 認証取得組織検索は、企業や組織の ISMS 認証取得状況を確認できるサービスです。

キーワードに、企業名や組織名、またはその他の条件(業種、所在地など)を入力して検索しましょう。企業名や組織名については部分一致検索も利用でき、完全な名称が不明な場合は一部のキーワードでの検索も可能です。

ISMS 認証取得組織検索は定期的に更新されますが、更新のタイミングによっては、最新の認証状況が反映されていない場合もあるため注意が必要です。

​​ISMS 認証を取得している企業数

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2024 年 7 月現在、 ISMS 認証を取得している企業数は登録ベースで 7,862 社、公表ベースで 7,457 社に達しています。 2002 年の ISMS 制度創設時の 144 社と比較し、認証取得企業は著しく増加していることが分かります。

近年、 ISMS 認証登録数は増加傾向です。企業の登録が増加した背景には、不正アクセスやランサムウェア攻撃の増加、内部不正や委託先による情報漏洩など、多様な脅威に対するリスクマネジメントの必要性が高まったことがあります。

情報セキュリティマネジメントの必要性は高まる一方であり、 ISMS 認証取得企業は今後も増加していくと予想されます。

ISMS 認証を取得している企業の特徴とは?

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ISMS 認証を取得している企業の特徴について、業種や企業規模の観点から解説します。近年は、情報技術分野を中心に、多様な業種で ISMS 認証の取得が増えています。また、中小企業でも ISMS 認証を取得する傾向が強まっています。

業種

ISMS 認証取得企業の業種分布を見ると、主に情報通信業、製造業、金融業が多数を占めています。情報通信業では機密情報を大量に扱うため、高度なセキュリティマネジメントが不可欠です。特に、受注ソフトウェア業、システムインテグレーション業、ソフトウェアプロダクト業での認証取得が多い傾向にあります。

製造業も、製品の設計や組成、生産プロセスなどの機密情報を多く取り扱う業種といえます。また、顧客の個人情報や金融取引データを扱う金融業についても、情報セキュリティマネジメントは欠かせません。

​企業規模

近年、 ISMS 認証の取得は大企業だけではなく中小企業にも広がりました。統計によると、 ISMS 認証取得企業の半数以上は従業員数 100 人超の企業ですが、数名から数十名規模の中小企業での取得も着実に増加しています。

中小企業による ISMS 認証取得の増加は、企業規模に関わらず、情報セキュリティマネジメントの重要性が認識されていることを示しています。

ISMS 認証は、組織の規模や業務内容に応じてセキュリティ対策のレベルを調整可能です。そのため、 10 名以下の小規模企業でも、自社の状況に適したセキュリティ管理体制を構築し、認証を取得できます。

​ISMS 認証の取得にかかる費用

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ISMS 認証の新規取得に必要な費用は主に以下の3つです。

  • 審査費用
  • コンサルティング費用
  • 維持・更新費用

審査費用の費用は、認証機関や企業の規模、業務の複雑さによって異なります。目安として、 50 万~ 130 万円程度が相場です。

コンサルティング費用は、サービスの範囲によって大きく異なります。取得に向けたアドバイスのみならば、年間約 30 万円前後が相場です。一方、運用面もサポートしてもらう場合は、年間 40 万~ 150 万円程度は見ておいた方がよいでしょう。なお、社内のリソースと専門知識によっては、必ずしもコンサルタントを利用する必要はありません。

ISMS 認証の有効期間は 3 年間で、 3 年ごとに更新審査が必要です。年次の維持審査には、目安として初回の取得審査の 1 / 3 程度がかかります。更新審査にかかる費用の目安は、初回の取得審査の 2 / 3 程度です。

ISMS 認証は信頼やブランディングの向上につながる

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ISMS 認証は、国際的な情報セキュリティマネジメントシステムの認証制度です。 ISMS 認証の取得により、企業の情報セキュリティマネジメントに対する取り組みを示せます。

認証を取得すると、企業の信頼性やブランド価値の向上につながる可能性があります。新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化だけではなく、認証取得のプロセスを通じて、自社のセキュリティ体制を強化する機会も得られるでしょう。

ただし、 ISMS 認証の取得には相応の費用が必要です。自社の状況や業界の動向などを考慮し、 ISMS 認証取得の必要性を慎重に検討しましょう。

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