Microsoft Teams の管理基盤として AvePoint Cloud Governance を導入、社外とのコラボレーションや権限管理、ライフサイクル管理を効率的に実現可能に
クリティカル ニーズ
- セキュアな社外ユーザーとのコラボレーションの実現と管理
- チームのメンバー管理の作業工数削減
- 使われなくなったチームが放置されコンテンツが残ることで発生するセキュリティ リスクと検索結果の質の低下
AvePoint Cloud Governance のメリットはきわめて大きく、もはやこれなしでは運用が成り立たない状況です。これからも Microsoft Teams をコミュニケーションの中心に据えると共に、AvePoint Cloud Governanceでの運用管理を徹底することで、働く環境をより効率的かつ効果的なものにしていきたいと考えています
当社が直面していた 3 つの課題を解決できるものは、AvePoint Cloud Governance しかありませんでした。また機能面はもちろんのこと、サポートを柔軟に対応いただけるという期待もあり、導入を決定しました
AvePoint Cloud Governance からチーム管理を行うことで、社外用チームの作成がよりスピーディに行えるようになりました。以前は申請から最短でも 5 日間かかっていましたが、現在では承認が完了すれば即日提供が可能です
AvePoint Cloud Governance は監査ログを無期限保存することができ、絞り込み条件の設定や、ユーザー インターフェイスも使いやすくなっています。AvePoint Cloud Governance の利用状況を始め、Microsoft 365 の監査ログ集計など、あらゆるシーンで活用が進んでいます。
2017 年 7 月に Microsoft Teams の利用を開始し、2019 年にはグループ全体での活用が一気に加速した花王株式会社 (以下、花王)。その活用範囲は社内コミュニケーションに留まらず、社外とのコラボレーションへと拡大しました。その結果、大きく 3 つの課題が顕在化するようになりました。それは、セキュアな社外ユーザーとのコラボレーションの実現と管理、メンバー数が多いチームのメンバー管理の作業工数の増大、そして使われなくなったチームが放置されコンテンツが残ることで発生するセキュリティ リスクと検索結果の質の低下です。これらをすべて解決するために花王が導入したのが「AvePoint Cloud Governance」でした。この製品導入により、社外とのコラボレーションはセキュアに実現され、手作業で管理していた部分も効率化および迅速化されました。またチーム メンバー管理は Microsoft Active Directory のセキュリティ グループと連携することにより容易となりました。そして一定期間使われなくなったチームはチーム担当者に通知されることでチーム ライフサイクル管理も実現されました。同社では 2020 年に入ってからこれらの導入に着手しており、段階的に国内、国外へとリリース。最終的にはすべてのチームを AvePoint Cloud Governance の管理下に置き、Microsoft Teams をコミュニケーションの中心に据えた働き方の効率化をさらに推進していく計画です。
Microsoft Teams を活用したコラボレーションを社内だけではなく社外にも拡大し、業務効率をさらに高めていきたい。このように考える企業は少なくありません。特に最近ではコロナ禍の影響で取引先に出向く機会が減っていることから、このニーズは以前よりも高まっていると言えるでしょう。その一方で、セキュリティの確保や運用負担の増大回避も欠かすことはできません。これらの要件をバランス良く実現するため、マイクロソフトのパートナーである AvePoint Japan株式会社 (以下、AvePoint) の AvePoint Cloud Governance を活用しているのが、花王です。
花王は 134 年にわたり「よきモノづくり」を通じて、こころ豊かな生活文化の実現に貢献してきた企業。2020 年 12 月末時点での連結従業員数は 33,409 人に上り、売上高は 1 兆 3,820 億円に達しています。2021 年には新たな中期経営計画「K25」をスタート。こころ豊かな暮らしに貢献するという基本ミッションはそのまま、地球環境や人の生命にもっと目を向けた、新たな「花王スタイル」の確立が目指されています。
「当社が Microsoft Teams の利用を開始したのは 2017 年 7 月でした」と語るのは、花王 情報システム部門 ESM部で部長を務める小久保 克也 氏。当初は情報システム部門から利用が始まりましたが、その後は口コミでユーザーが徐々に広がり、各関連部門と連携した推進体制を整えたことで一気に広がっていったと振り返ります。2019 年 1 月には、消費者への販売を担う美容会社である花王グループカスタマーマーケティング (KCMK) において、Teams とタブレットの本格導入を実施。2019 年 4 月には花王グループ全体への展開を進めるべく「Teams 利活用推進プロジェクト」が発足しています。
「当初はグループ内での利用が中心だったこともあり、運用管理においても Microsoft Teams の標準的な機能を使っていました。しかし今述べたように、2019 年に入ってから全社的な活用が一気に加速していきます。これと同時に、社外の人も招待してコラボレーションしたい、という要望も増えていきました。これをセキュアに実現するには、運用管理のしくみを今一度見直す必要がありました」。
さらに小久保 氏は、社外ユーザーの招待への対応以外にも、2 つの課題に直面していたと語ります。
1 つは Microsoft Active Directory (AD) のセキュリティ グループと連携した権限管理をどう実現するか。Microsoft Teams は AD と連携したシングル サインオンは実現できるものの、チームごとの権限管理に関しては個別にメンバー登録を行う必要があり、人事異動の際には膨大な作業が必要になっていました。セキュリティ グループとの連携は、その作業工数の削減に不可欠だと判断されました。
もう 1 つは増え続けるチームへの対応です。2019 年の時点でチーム数は 7,500 に達しており、その後もさらに増えていくことが予想されました。その中には既に使われなくなったにも関わらず、削除されずに残されているものも存在します。これらをそのまま放置し続ければ、チームが不要になっても社外のアカウントが残り続けるというセキュリティ面でのリスクや、検索性の低下という懸念がありました。そのため不要なチームを的確に見つけ出し、それを確実に削除していくというライフサイクル管理の実現も求められたのです。
この 3 つの課題を解決するため、2019 年 6 月に新たな運用管理方法の検討を開始。ここで AvePoint Cloud Governance に着目することになります。
「検討段階では複数のソリューションに関してヒアリングを進めていきましたが、3 つの課題を解決できるものは AvePoint Cloud Governance しかありませんでした」と語るのは、花王 情報システム部門 ESM部 ICTグループ オフィスインフラチームで Teams担当 リーダーを務める近藤 浩二 氏です。「また機能面はもちろんのこと、サポートを柔軟に対応いただけるという期待もあり、最終的に 2019 年 11 月に導入を決定、2020 年 1 月より導入プロジェクトを開始しました」。
AvePoint Cloud Governance は、これまで情報システム部門が手作業で行っていた煩雑な社外ユーザーの招待タスクを自動化し、適切な社外ユーザー管理とチーム作成の自動化を可能とする製品です。これに加え、Microsoft Teams 上のメンバー管理としてセキュリティ グループの連携やチームのライフサイクル管理も可能にします。これにより、Teams の画面から各種申請画面へのアクセスが可能となり、ユーザー オペレーションも簡素化することができました。
「AvePoint Cloud Governance の導入も、最初はスモール スタートで開始しました」と言うのは、花王 情報システム部門 ESM部 ICTグループ オフィスインフラチーム Teams担当の中谷 圭佑 氏。まずは社外ユーザー招待の実現に向け、情報システム部門を中心にパイロットを進めていったと振り返ります。約 2 か月間の評価を経て、2020 年 7 月にはこの機能を国内ユーザー向けに正式リリース。残りの全機能も同年 9 月に国内リリースしています。さらに 2020 年 10 月には、海外グループ会社向けに社外ユーザー招待機能もスタート。2021 年は残りの全機能を海外グループ会社へ展開する予定になっています。
「2020 年 1 月の導入プロジェクトの開始後、すぐにコロナ禍となったため、2 月末からはオンラインでのプロジェクト遂行となりました」と語るのは、AvePoint でセールス マネージャーを務める菊池 寛人 氏。そのためコミュニケーションの遅延が発生しないよう、十分に留意したと言います。
一方で「新しく作成するチームに対してセキュリティ グループ連携での権限管理を実現する機能はありましたが、花王様の要件を満たすためには追加での機能開発が必要でした」と語るのは、AvePoint でテクニカル シニア ディレクターを務める渡部 勇樹 氏。「すでに膨大なチームが存在している花王様の場合、新規チームだけでなく既存チームへのセキュリティ グループ連携もできる必要がありました。そのため米国の開発チームと連携し新たに機能を追加リリースしました」。
このような対応について「当社からの要望を迅速に開発チームへ連携いただき、必要な機能を追加いただけたことに非常に感謝しています。また、あらゆるケースにおいてスピーディかつ柔軟に対応いただきました」と語るのは、花王 情報システム部門 ESM部 ICTグループ オフィスインフラチーム Teams 担当の芝 真紗美 氏。既存の Microsoft Teams から作成されているチームに対してもセキュリティ グループ連携が可能になったため、ユーザーからのリクエストに応えることができ、社内でも非常に喜ばれている機能だと言います。
「AvePoint Cloud Governance を導入し、Microsoft Teams からではなく AvePoint Cloud Governance からチーム管理を行うことで、社外用チームの作成がよりスピーディに行えるようになりました」と中谷 氏。以前は申請からチーム立ち上げ、社外ユーザーの登録、チーム提供までの一連の作業や関係部門とのやり取りに、最短でも 5 日間かかっていたと振り返ります。しかし現在では、承認が完了すれば即日提供が可能になっています。「これによって社外用チームの利用が増えており、2021 年 4 月までに 197 チームが作成されています。社外とのメッセージのやり取りやファイル共有も、以前はメールが中心でしたが、次第に Teams へとシフトしつつあります」。
AD のセキュリティ グループとの連携によって、チーム メンバーの権限管理も効率化されました。2021 年 2 月末の時点で 212 チームでセキュリティ グループとの連携を行っていますが、これだけでユーザー管理の工数を年間 100 時間以上削減できると見込まれています。Microsoft Teams から作成されたチームにおいてもセキュリティ グループとの連携が可能となったので、今後さらなる作業時間の削減が期待されます。
チームやユーザーのライフサイクル管理も容易になりました。「これまでに作成された社外用チームも、利用が終了した155 チームが削除されています。ライフサイクル管理をしっかり行うことで、社外からアクセス可能なファイルを放置してしまう危険性もなくなりました」 (中谷 氏) 。
このように AvePoint Cloud Governance は、前述の 3 つの課題を解決しています。これに加え、監査ログが長期保存できようになったことも、メリットの 1 つだと近藤 氏は話します。
「Microsoft 365 の監査ログの保存期間は最大 90 日間となっていますが、最近では世界的にセキュリティ インシデントが増えているので、より長期にわたる監査ログの保存が求められるようになっています。AvePoint Cloud Governance を使用すれば、監査ログを無期限保存することが可能です」。
さらに芝 氏は、Microsoft 365 の監査ログとの連携により「AvePoint 提供の管理画面を利用して監査ログの確認が可能となりました。目的の情報を抽出するための絞り込み条件の設定や、ユーザー インターフェイスも使いやすくなっています。AvePoint Cloud Governance の利用状況を始め、Microsoft 365 の監査ログ集計など、あらゆるシーンで活用が進んでいますので、今後のさらなる発展も期待しています」と語っています。
2021 年は新規チームの作成を AvePoint Cloud Governance に集約し、Microsoft Teams からのチーム作成機能を停止 (封鎖) します。既存チームも AvePoint Cloud Governance の管理下へと移行していき、最終的には全チームの管理を AvePoint Cloud Governance で行う予定です。
「AvePoint Cloud Governance のメリットはきわめて大きく、もはやこれなしでは運用が成り立たない状況です」と小久保 氏。今後は Microsoft Teams だけではなく、Microsoft SharePoint Online の活用を拡大していく際にも、運用管理基盤として活用していくことを検討していると言います。「私達の働き方もコロナ禍をきっかけに世界的に大きく変わりました。しかし花王グループでは Teams の活用が進んでいたため、在宅勤務へのシフトもスムーズに行えました。これからも Teams をコミュニケーションの中心に据えると共に、AvePoint Cloud Governance での運用管理を徹底することで、働く環境をより効率的かつ効果的なものにしていきたいと考えています」。