ハイライト
・電子帳簿保存法改正に対応するために、Microsoft 365のバックアップシステム導入を検討開始
・検証フェーズで運用手順を確認できたことに加えてAvePointの対応にも満足し、AvePoint Cloud Backup for Microsoft 365の採用を決定
・今後のさらなるクラウド活用を見据え、AvePointの他のバックアップソリューションや、Microsoft 365運用管理ツールにも期待
マイクロソフト社から『データの保護責任はユーザー側にある』とのガイドが出ていたことや、BCP対策の必要もあり、当初からバックアップシステムの検討はしていました。電子帳簿保存法改正に伴い、改めてバックアップシステムの導入を検討することとなりました。
Microsoft 365の標準仕様では一定期間後はデータが消えてしまうため、退職者が作成したデータを取り出したいといったリクエストがあっても答えることができませんでした。現在は長期間のデータ保存が可能となり、システム部門としてバックアップを取得しているという安心感を得られたのも大きな効果です。
Customer Interview
電子帳簿保存法対策としてバックアップシステムを検討
AvePoint Cloud Backupで安全に長期間、データを保管できるしくみを構築
長野県のトップバンクとして信州の未来に貢献する八十二銀行
長野県の八十二銀行は、昭和初期の恐慌の中、当時の県下2大銀行であった「第十九銀行」と「六十三銀行」が合併してできた地方銀行です。県下のトップバンクとして、地域経済の発展への貢献やお客さま満足度向上を目指し、長年さまざまな取り組みを展開してきました。2023年には長野銀行を完全子会社化し経営統合するとともに、八十二システム開発を吸収合併。目下、体制を強化してDXの推進にも積極的に取り組んでいます。さらに2026年1月1日には八十二銀行と長野銀行が合併し、八十二長野銀行に。地域のさらなる活性化に貢献すべく変革を続けています。
電子帳簿保存法改正に伴いバックアップシステムを検討開始、使用感も確認の上サービス採用を決定
八十二銀行は2022年に業務の基盤となるデジタルツールとしてMicrosoft 365を導入しており、近年、そのバックアップシステムの整備が課題になっていました。経緯について、システム部 システム企画 主任調査役 西村 英昭氏は次のように説明します。
「Microsoft 365導入時に、マイクロソフト社から『データの保護責任はユーザー側にある』とのガイドが出ていたことは確認していましたし、BCP対策の必要もあり、当初からバックアップシステムの検討はしていました。しかし、人員面、費用面のハードルがあり、一旦は導入を見送ったという経緯があります。その後、法規制の変化に伴い、改めてバックアップシステムの導入を検討することとなりました」
きっかけとなったのは、電子帳簿保存法改正に伴い、請求書・領収書などの書類を電子データとして保存することが義務化されたことです。システム部 システム企画 小林 由希子氏は以下のように付け加えます。
「改正電帳法の要件を順守してデータの長期保存、データのバックアップ・復元を行うことができるしくみを導入すべく検討を本格化する中で、日本ビジネスシステムズ(JBS)社からAvePoint Cloud Backupを利用したバックアップサービスを提案していただきました。AvePoint社からは試用版のライセンスを提供いただき、操作感や運用手順を事前に確認できたのは製品選定の大きな判断材料になりました。質問があった際もAvePoint社には丁寧にレスポンス良く答えていただきましたし、コストパフォーマンスも満足できるものであったため、最終的にAvePoint Cloud Backupを使用したJBSのバックアップサービスを採用する決断をしました」
電子帳簿保存法への対応ができたことに加え、ユーザー利便性の向上にも寄与
八十二銀行のバックアップシステムは、2024年2月に稼働しました。元々のきっかけとなった改正電帳法への対応が万全となったことに加え、システム部の業務においても導入メリットを感じているといいます。
「Microsoft 365の標準仕様では一定期間後はデータが消えてしまうため、退職者が作成したデータを取り出したいといったリクエストがあってもこれまでは答えることができませんでした。現在は長期間のデータ保存が可能となり、そういったユーザーリクエストにも答えられるようになります。実際に、2月のリリース後もデータ復旧の要求があったことがあり、ユーザーリクエストにタイムリーに答えることができました。システム部門としてバックアップを取得しているという安心感を得られたのも大きな効果です」(小林氏)
また西村氏は、バックアップシステムの稼働によりエンドユーザーの利便性も向上したと強調します。
「バックアップシステム導入以前は、SharePointとOneDriveに保管されているファイルに対して『データ保持』という設定をしていました。それにより、フォルダの中にファイルがあるとフォルダごと削除できないという仕様になっていて、ユーザーがフォルダを消去したい場合は、中のファイルをすべて消す必要がありました。AvePoint Cloud Backupによりこの設定を解除することができ、不要なデータをフォルダごと消せるようになりました。細かい点ではありますが、ユーザーのストレスが解消され利便性が挙がった一例と言えると思います」
今後の展望: さらなるクラウド活用とセキュリティレベルの向上
八十二銀行では、Microsoft 365導入から2年ほどが経過し、社内の利用が浸透してきています。今後はMicrosoft 365の運用管理をさらに強化していく方針です。小林氏は以下のようにコメントしています。
「現状、Teamsについては一部で運用支援ツールを利用していますが、AvePoint Cloud Governanceにも注目しています。既存のツールと比べてかなり細かいところまで気が利いていて、使い勝手が良さそうな印象を受けました。組織変更によるメンバーの入れ替えなども効率的にできそうという期待があるので、引き続き情報収集をしていきたいと考えています」
八十二銀行は今後もクラウドシステムを積極的に活用しながら、業務基盤のアップデートを継続していく方針です。
「システム全体では、パフォーマンス向上やセキュリティ強化に引き続き取り組んでいく計画です。バックアップの仕組みについては、それぞれのシステムの特性や業務の重要性を踏まえて構築していきます。Microsoft 365以外のクラウドシステムをバックアップするAvePoint製品も導入を検討していきたいと考えています」(西村氏)