Teams のファイル共有機能を使うと、情報共有や編集作業を効率化できます。しかし、ファイル共有機能の使い方やメリットが分からず、困っている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、 Teams のファイル共有機能を知りたい人に向け、チャット画面またはチャネル画面からのファイル共有方法や、共同編集方法、使用法やセキュリティに関する注意点などを解説します。多くの人が悩みがちな問題と対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Teams のファイル共有とは
チャットツールや Web 会議ツールとして活用される Teams は、 Microsoft が提供するグループウェアです。 Teams には、ファイル共有機能が搭載されています。
ファイル共有機能とは、クラウド上に作られたチーム専用の保存場所にファイルを保存する機能です。ドラッグ & ドロップで簡単にファイルを共有でき、アクセス権を持つチームメンバーは閲覧や共同編集できます。また、「共有チャネル機能」を使うと、チーム外のユーザーともファイル共有、共同編集が可能です。
Teams で共有したファイルの保存先
Teams で共有したファイルの保存先について解説します。 Teams からアクセスできるファイルは、 Teams 本体に保存されている訳ではありません。ファイルの保存先は、 SharePoint または OneDrive です。
なお、チームチャットで共有するか、プライベートチャットで共有するかによって、ファイルの保存先は変わります。
チームチャットで共有した場合
チームチャットから共有したファイルは、 SharePoint チームサイト内の「ドキュメント」に保存されます。 SharePoint は、 Microsoft が提供するファイル・情報共有のためのサービスで、 Teams と連携して使えます。
ただし、保存先に OneDrive を選択した場合は、チームチャットで共有しても SharePoint には保存されません。
プライベートチャットで共有した場合
プライベートチャットから共有したファイルは、投稿者の OneDrive に保存されています。 OneDrive は、 Microsoft が提供するクラウドストレージサービスです。
プライベートチャットは、チームの一部のメンバーのみがアクセスできるチャットです。 Teams では任意のチームメンバーを選んで、プライベートチャットを開始できます。
Teams でファイル共有を行うメリット
Teams でファイルを共有すると、効率よく情報共有や編集作業を進められ、ファイルを管理しやすくなります。ファイル共有でできることは、以下の通りです。
- メールのようなツールを立ち上げずに、 素早くファイル共有できる
- チームメンバーが、同じバージョンファイルをリアルタイムで共同編集できる
日常的に Teams を使っていれば、新たにメールや社内フォルダを開かずに済み、簡単にファイルを共有可能です。
リアルタイムで共同編集できると、分担して作業したものを編集する作業を省略できます。また、編集時にファイルを複製せずに済むため、ファイルの取り違えをするリスクがなくなり、常に最新バージョンのファイルを共有できます。
Teams でファイルを共有する方法
Teams でファイルを共有する方法について、「チャット画面から共有する方法」と「チャネル画面から共有する方法」に分けて解説します。 また、 Teams 上で新規ファイルを作成し、そのまま共有する方法も紹介します。
チャット画面から共有する方法
チャット画面からファイルを共有するときは、「クリップ型アイコン」または「メッセージ入力画面」のいずれかから始めます。
「クリップ型アイコン」は、チャット画面のメッセージを入力するボックスの下の方にあります。アイコンをクリックするとファイル一覧が表示されるので、アップロードするファイルを選択して共有しましょう。
また、「メッセージ入力画面」にファイルをドラッグ & ドロップする方法でも、ファイルを共有できます。
前述したとおり、プライベートチャットから共有したファイルは、投稿者の OneDrive に保存されています。チームチャットの場合は、保存先を選ばない限り SharePoint にファイルが保存されます。
チャネル画面から共有する方法
チーム内には複数のチャネルがあります。すでにあるチャネルを選ぶか、新しく作成したチャネルを使って、ファイルを共有しましょう。複数のチャネルを作っておけば、チーム内でも情報共有する範囲を絞れます。
チャネル画面のページ上部には「ファイルタブ」があり、ドラック & ドロップで簡単にファイルを共有できます。
また、 Teams 上で作成したファイルも共有可能です。「ファイルタブ」から「新規」をクリックし、ファイル形式を選んで作成しましょう。 Teams 上で作成したファイルは、作成した時点で共有されています。
Teams で共有したファイルの共同編集の方法
Teams で共有したファイルを共同編集するときは、チャット画面やチャネル画面の上部に位置する「ファイルタブ」、または画面左側に表示されるメニュー表示の「ファイル」からアクセスします。以下の手順で共同作業を始めましょう。
- 「ファイルタブ」や「ファイル」をクリックする
- 編集したいファイルを選び、閲覧画面を開く
- 右上の「編集」をクリックして編集する
他のメンバーが編集した内容は、リアルタイムで反映されます。また、「共有チャネル」を活用すると、チーム外のユーザーともファイルを共同編集できます。
Teams で共同編集ができないときの原因と解決法
Teams でファイルを共有してもらっても、閲覧できなかったり、編集できなかったりする場合があります。共同編集できないときの主な原因は、以下の通りです。
- アクセス権がない
- 編集権限がない
- ファイル形式が対応していない
解決法も紹介するので、参考にしてください。
アクセス権がない
前述したとおり、ファイルを共有してもらっても、アクセス権がなければ編集できません。ファイルは、共有時にアクセス権を設定できます。「リンクを知っているこのユーザーは編集できます」と表示された部分をクリックしてアクセス権を設定しましょう。アクセス権の範囲は以下の 5 つから選べ、編集の可否、ダウンロードの可否も設定できます。
- リンクを知っているすべてのユーザー
- リンクを知っている自分の組織内のユーザー
- 現在このチャットに参加しているユーザー
- 既存アクセス権を持つユーザー
- 特定のユーザー
「現在このチャットに参加しているユーザー」を選ぶと、この後にチャットに参加したユーザーにはアクセス権が付与されません。必要に応じてアクセス権を共有し直す必要があります。
編集権限がない
ファイルが「チェックアウト」になっていると、アクセス権があっても、一時的に編集できない状態になります。「チェックアウト」とは、他のユーザーが編集できないように制限をかけている状態のことです。制限が解かれると「チェックイン」できる状態になります。
他のユーザーが「チェックアウト」にしているときは、ファイルの「更新日時」に「右下向きの矢印のアイコン」が表示されています。「チェックイン」になるまで待機するか、ユーザーに呼びかけて、「チェックイン」に戻してもらいましょう。
ファイル形式が対応していない
Teams で共同編集が許可されているファイル形式は、以下の通りです。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- OneNote
- Visio
他のファイルは、 Teams 上で編集できません。
なお、 Visio は、 Microsoft が提供する図面作成のためのソフトウェアです。フローチャートや組織図などの設計図を直感的に作成できます。 Visio ファイルを編集するには、 Visio のライセンスを取得しておく必要があります。
Teams でファイルを共有する際の注意点
Teams で共有したファイルを共同編集するときは、ダウンロードしないように呼びかけておきましょう。ダウンロードすると、クラウド上のファイルが、ダウンロードした人のローカル端末に保存されます。
ローカル端末でファイルを編集しても、当然ながらリアルタイムで編集内容を共有できません。他の人が編集を済ませた部分を編集してしまったり、後から編集内容をクラウド上のファイルに転記したりと非効率です。また、転記する際にミスや漏れが発生する場合もあります。
その上、ローカル端末にデータを保存すると、セキュリティリスクが高まるため注意が必要です。。ローカル端末がウイルスや不正アクセスの被害に遭ったり、盗難に遭ったりすると、情報漏洩につながります。共同編集する場合は、共有したファイルのリンクを開いて作業するよう徹底してください。
Teams のファイル共有に関するよくある悩みと対処法
Teams のファイル共有について、多くの人が以下の内容で悩みを抱えています。
- 複数ファイルをアップロードしたい
- 共有したファイルをダウンロード禁止したい
- 共有したファイルを削除したい
- 共有したファイルを復元したい
- 過去に共有したファイルを確認したい
対処法も併せて紹介するので、参考にしてください。
複数ファイルをアップロードしたい
複数ファイルをアップロードしたいときも、ドラッグ & ドロップで対処できます。 1 つずつアップロードしていると手間がかかるため、複数のファイルを選択してまとめて移動させましょう。
マウスのドラッグ操作で関係ないファイルを選択してしまうときは、「 shift キー」を押しながら目的のファイルを選択します。複数ファイルを一度に指定してアップロードできます。
また、アップロードしたいファイルがまとまったフォルダを作って、フォルダごと共有してもよいでしょう。
共有したファイルのをダウンロードを禁止したい
ファイル共有時にダウンロードの可否を設定できます。「リンクの設定」の画面で「ダウンロードを禁止する」を ON にしておきましょう。
機密性の高い情報はダウンロードされると情報流出に繋がる恐れがあります。また、ダウンロードしてファイルを編集すると非効率となり、ミスも起きやすくなります。ダウンロードできなくても閲覧はできるため、必要に応じて機能を制限しましょう。
共有したファイルを削除したい
共有したファイルを削除したいときは、共有したときのメッセージを削除します。メッセージを選び、「その他のオプション」から「削除」を選択するとファイルが削除されます。クリックする際に選択する箇所は、ファイルそのものではなく、該当するメッセージです。
また、「ファイルタブ」からもファイルを削除可能です。「ファイルタブ」、「その他のオプション」の順に選択し、「削除」をクリックしましょう。複数のファイルを一度に削除する場合は、ファイルの左側をクリックすると選択用のチェックボックスが表示されます。選択後、「その他のオプション」から「削除」してください。
共有したファイルを復元したい
誤って Teams 上でファイルやフォルダを削除しても、 SharePoint にデータは保存されています。以下の手順でファイルを復元させましょう。
- 「ファイルタブ」から「 SharePoint で開く」をクリックする
- 「ごみ箱」を選択する
- 回復するファイルやフォルダを選択し、「復元」をクリックする
SharePoint の「ゴミ箱」からファイルを削除してしまったときは復元できません。「ゴミ箱」を空にするタイミングに注意しましょう。ちなみに、 SharePoint の「ゴミ箱」のファイルやフォルダは、デフォルトで 93 日は保持されるように設定されています。
過去に共有したファイルを確認したい
チームチャットにファイルを保存した場合は、 SharePoint に保存されます。 SharePoint 内にはチーム名と同じ名前のグループが作成されているので、クリックして過去に共有したファイルを確認しましょう。
なお、自分が共有したファイルは、 Teams のメニュー表示の「ファイル」から確認できます。 OneDrive から 「 Microsoft Teams チャットファイル」を開くと、チームチャットで共有したファイルが表示されます。
Teams のファイル共有の際に気をつけたいセキュリティ
Teams は、チームメンバーや、チーム外の組織内外のユーザーとファイルを共有できます。しかし、手軽に情報共有できるということは、使い方を誤ると情報流出に繋がる恐れがあるということです。特に、前述した「共有チャネル機能」を活用し、組織外ユーザーと共同編集すると、セキュリティリスクは高まります。
Teams にはファイルの暗号化機能が搭載されており、不正アクセスで情報を盗み見られないように対策されています。それでも、必要に応じてアクセス権を見直す、ファイルにパスワードをかけるなど、セキュリティ関係のルールを設定して安全性を高めましょう。
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ファイル共有以外の共有方法として役立つWiki機能
Teams の Wiki 機能も、情報共有に役立ちます。 Wiki 機能は、チームメンバーが自由にアクセスして情報を編集できます。例えば以下の情報を Wiki 機能で共有するとよいでしょう。
- システムの操作方法、各種申請フローなどの業務マニュアル
- 業務で使う専門用語の解説
- 組織内 Q & A
- 重要なファイルへのリンク集
ファイル共有とは異なり、 Wiki ではリアルタイムの共同編集ができません。他のユーザーが編集しているときは「セクションがロックされています」と表示されます。また、 Wiki はチームでの利用を前提としているため、チャット画面では利用できません。
Teams に Wiki を追加する際は「ファイルタブ」の横にある「 + 」をクリックし、アプリから Wiki を選択します。
Teams のファイル共有を活用しよう
Teams のファイル共有機能は、チャット画面やチャネル画面からファイルを共有できます。 Teams で素早く情報共有して共同編集すると、業務効率化につながります。共有したファイルは削除・復元が可能なため、誤って操作をしたときは適時対応しましょう。
ファイル共有機能を活用するときは、セキュリティ対策を徹底してください。 Teams にはセキュリティ対策が施されていますが、情報流出につながるリスクを抑えるには自社で対策する必要があります。セキュリティ関連のルールを整備して、安全性を高めましょう。