Microsoft は SharePoint の UI をモダン UI への移行を進めるため、クラシック UI の機能の利用制限を進めています。その流れのなかで 2024 年 11 月以降にカスタムスクリプトの設定について利用制限をすることを発表しました。
今後はさらに機能が制限されることが予想され、これまでクラシック UI を利用していたユーザーは移行に備えた対応が必要です。
本記事では、 SharePoint のクラシック UI とモダン UI の概要を解説し、利用制限をされることでクラシック UI の利用にどのような変化があるかをお伝えします。
SharePoint は 2 種類の UI がある
SharePoint には 2 種類の UI があります。 1 つは古くから利用されているクラシック UI 、そしてもう 1 つが新しい UI であるモダン UI です。ここでは、それぞれの概要や利用のメリット・デメリットについて解説します。
1.モダン UI
モダン UI はクラシック UI に比べ、新しい UI ではあるものの、ここ数年で登場した UI ではありません。モダン UI が最初に登場したのは、 2016 年に SharePoint Online がアップデートされたときです。
モダン UI は、 SharePoint で新しくチームを作成した際に自動的に作成されます。モダン UI を利用するメリットとしては、レスポンシブデザインのため、モバイル端末からの操作性が向上した点が挙げられます。
そのほかにも、サードパーティアプリとの連携が強化された点、直感的にページ作成ができる点、 Microsoft により継続的に機能が強化される点などもメリットです。
一方、モダンUIのデメリットは、レスポンシブデザインであるため、ウィンドウサイズによりレイアウトが変わる点、クラシック UI で使われていた機能が一部なくなっている点があります。
さらに、 HTML や CSS 、 JavaScript が使えず、 Webパーツの拡張が基本的にはできません。拡張したい場合は難易度の高い開発が必要となり、凝ったデザインへの変更が難しくなったのはクラシック UI と比べてデメリットといえるでしょう。
2.クラシック UI
クラシック UI は、「クラシックサイトコレクションのページ」として、 SharePoint 管理センターでサイトコレクションを作成したものです。クラシック UI はモダン UI と並行して利用できます。
クラシック UI を利用するメリットの 1 つは、カスタマイズが容易な点です。モダン UI とは異なり、 HTML や CSS などを利用できるため、デザインの自由度が高い点がメリットといえます。一般的な企業 Web サイトであれば SharePoint だけでも簡単に作成可能です。
また、 JavaScript を使い、 REST API を使用したデータ取得やカスタムフォームの作成など、動的な処理ができるのもクラシック UI ならではでしょう。
これに対しクラシック UI 最大のデメリットは、いつサポートが終了してしまうかわからない点です。 Microsoft は新しいモダン UI の利用を推奨しているため、機能追加も終了し、いつ使えなくなるかもわからない UI を使うのは大きなデメリットといえます。
クラシック UI は 2024 年 11 月以降カスタムスクリプトの設定が制限される
クラシック UI からモダン UI への移行が進んでいる SharePoint では、 2024 年 11 月以降、カスタムスクリプトの設定についても利用制限されることが発表されています。
クラシック UI がすぐに使えなくなってしまうわけではありませんが、Microsoft がモダン UI への移行を推奨しているため、今後さらなる機能制限が進んでいくと予測されます。
クラシック UI の機能制限による影響
クラシック UI の機能制限による影響は、カスタムスクリプトの設定ができなくなることだけではありません。
ほかにも、 UI デザインのカスタマイズ修正と追加機能、掲載コンテンツの修正機能、検索やビジネスデータなど多数の Web パーツ廃止といった影響も発生します。
この結果、コンテンツの更新や自由なカスタマイズができなくなるなど、これまでのような SharePoint の活用にさまざまな困難が生じる可能性が高まります。
また、 SharePoint 単体での利用だけではなく、 Teams や Power Platform などとの連携も難しくなるため、業務によっては大きな影響が出てしまうでしょう。
クラシック UI の機能制限に備えよう
SharePoint にはクラシック UI とモダン UI の2つの UI が用意されています。ただ、クラシック UI からモダン UI への移行を進めるべく、クラシック UI での機能制限が始まっています。
これまで便利に使えていたクラシック UI ですが、今後は機能制限により使えなくなる機能も増え、 Office ツールとの連携も難しくなります。そのため、できるだけ早い段階でモダン UI への移行が必要です。
業務効率化を進める上でも大きな効果を発揮する SharePoint を今後も効果的に活用するためにも、モダン UI へのスムーズな移行を今から進めていきましょう。