2024 年 11 月 18 日から 22 日にかけて、イリノイ州シカゴで Microsoft のパートナーイベント「Ignite2024」が開催されました。 Ignite は Microsoft 最大の年次イベントであると同時に、今年は生成AI技術の進化を象徴する「Copilot」一色だったこともあり、多くの注目を集めました。 今回は、Ignite2024 で発表された Copilot の新機能や関連トピックについて詳しく解説します。
Copilotの機能が強化された!
Microsoft Ignite2024 では、Microsoft 365 Copilot の機能強化が発表されました。ここでは、今回発表された Copilot の機能強化について紹介します。 Teamsで音声での同時翻訳が可能に Microsoft 365 Copilot の新機能として、Teams に音声同時通訳機能が追加されました。 翻訳する際は「Language and Speech」メニューから、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の 9 言語を選択可能です。 この機能を使えば、国際的な会議でも、リアルタイムでのコミュニケーションが円滑に行えます。
ExcelでPythonを利用した高度な分析ができる
もうひとつの Microsoft 365 Copilot のトピックは、Excel 上で Python コードを生成・実行できる「Copilot in Excel with Python」がパブリックプレビューとして公開されたことです。 Python に精通していなくても、データのグラフ化やクリーニング、機械学習などの高度な分析を、Excel で手軽に行うことができます。Excel 上で Python コードを実行できる「Python in Excel」はすでにリリースされており、両者を組み合わせることで、さらに強力なデータ分析が可能です。
AIエージェント機能の追加もトピック
AI エージェントとは、人間の指示に従って半自律的に動く AI のことです。具体的な指示に応じてタスクを実行したり、学習済み情報をもとにした回答を提供したりすることができます。 ただし、生成 AI と異なり、コンテンツ作成やアイデアの創出といった用途には向きません。
今回、多くの AI エージェント機能が追加されましたが、本記事ではそのなかでも特に注目されている 2 つの新機能「SharePoint エージェント」と「Copilot Studio Agent Builder」について紹介します。
Copilot Studio Agent Builder は、ノーコード・ローコード環境で簡単に AI エージェントを作成できる機能です。 資料やマニュアルなどをナレッジとして指定するだけで、質問に応じて最適な回答を返す Copilot を構築できます。過去に作成した膨大なデータを有効活用して、FAQ 対応やトラブルシューティングに回答する AI エージェントを簡単に導入可能です。 組織に蓄積されたナレッジにアクセスしやすくなり、業務効率の向上に役立ちます。
管理者向け機能「Copilot Control System」も登場
IT 部門の管理者向けに「Copilot Control System」という新機能が登場しました。 この機能により、Copilot やエージェントのアクセス管理やセキュリティ制御などができるようになります。導入状況の測定や ROI(投資対効果)の確認も可能です。 管理者は安全かつ効率的に AI ツールを運用できるようになります。Microsoft 365 Copilot のライセンスに追加費用なしで含まれる予定であるため、コスト面での恩恵も大きいです。