OneDrive は、 Microsoft アカウントの所有者が利用できるオンラインストレージサービスです。オンラインで共有できるファイル形式はさまざまで、フォルダごと一括共有も可能です。
本記事では、 OneDrive を導入している企業に向け、ファイルやフォルダを共有する方法を解説します。共有解除の方法や共有できないときの対処法、導入するメリットやセキュリティリスクと対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【基本】 OneDrive でファイルとフォルダを共有する方法
OneDrive は Microsoft が提供するオンラインストレージです。 この段落では、OneDrive でファイルとフォルダを共有する基本的な方法を解説します。共有方法は主に以下の3つです。
- リンクでファイルや画像を共有する方法
- メールでファイルや画像を共有する方法
- フォルダごと共有する方法
共有したいデータが少なければ、取得したデータへのリンクをメールなどで送信します。共有したい対象が多ければ、フォルダにまとめてから共有すると効率的です。
リンクでファイルや画像を共有する方法
以下の手順でファイルや画像へのリンクを取得し、他のユーザーに共有します。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「リンクを知っていれば誰でも編集できます」をクリックする
- 共有範囲については、「すべてのユーザー」あるいは「特定のユーザー」を選択する
- 権限については、「その他の設定」で「編集可能」あるいは「表示可能」を選択する
- 「適用」をクリックして、「リンクの送信」画面に戻る
- 「コピー」を選択する
- チャットやメールでリンクを送信する
権限で「表示可能」を選択すると、閲覧はできますが編集はできない状態で共有されます。
メールでファイルや画像を共有する方法
メールでファイルや画像を共有するときは、以下の手順で進めます。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「宛先:名前、グループ、またはメール」の部分に、共有したいユーザーのメールアドレスを入力する
- 「鉛筆のアイコン」をクリックし、「編集可能」あるいは「表示可能」を選択する
- 「メッセージ…」には、任意でユーザーへのメッセージを入力する
- 「送信」をクリックする
フォルダごと共有する方法
共有したいファイルや画像が複数あるときは、フォルダにまとめてから共有すると効率的です。以下の手順で共有しましょう。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「リンクでファイルや画像を共有する方法」または「メールでファイルや画像を共有する方法」と同様にフォルダごと共有する
フォルダにまとめてから共有すれば、ファイルごとに権限を設定せずに済みます。共有したフォルダに後からファイルをアップロードしていくと、共有先のユーザーが閲覧するフォルダにもデータが追加されます。
【用途別】 OneDrive の共有方法
OneDrive は、 Microsoft アカウントを所有しない人や外部ユーザーにもデータを共有できる上に、閲覧・編集権限を柔軟に設定できます。6つの用途別に、 OneDrive を使った共有方法を紹介します。
- 閲覧のみ可の状態で共有する方法
- アカウントなしで編集が可能な状態で共有する方法
- 外部ユーザーに共有する方法
- 特定のユーザーのみに共有する方法
- 有効期限を決めて共有する方法
- ダウンロードを禁止した状態で共有する方法
- パスワードを設定した状態で共有する方法
閲覧のみ可の状態で共有する方法
OneDrive は「閲覧のみ可能」「編集も可能」など、権限を設定した状態でファイルやフォルダを共有できます。「閲覧のみ可能」な状態だと、共有したファイルが編集されることなく、フォルダ内に勝手にファイルや画像をアップロードされることもなくなります。
「閲覧のみ可能」な状態で、リンクでファイルやフォルダを共有する方法は、以下のとおりです。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「リンクを知っていれば誰でも編集できます」をクリックして、「その他の設定」で「表示可能」を選択して「適用」をクリックする
- 「リンクの送信」画面に戻るので「コピー」を選択する
- チャットやメールでリンクを送信する
アカウントなしで編集が可能な状態で共有する方法
Microsoft アカウントを持たない人にも、ファイルへのリンクを送信すれば編集可能な状態でデータを共有できます。リンクでファイルやフォルダを共有する方法を以下に示しました。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開くので、「リンクを知っていれば誰でも編集できます」と表示されていることを確認する
- 「コピー」をクリックする
- リンクが表示されるので、右横の「コピー」をクリックする
- チャットやメールでリンクを送信する
なお、 OneDrive ではデフォルトで、「リンクを知っていれば誰でも編集できます」の状態になっています。
外部ユーザーに共有する方法
外部ユーザーに共有するときは、最初に外部ユーザー専用のフォルダを作成し、フォルダごと共有しておくと効率的です。後から共有したいファイルや画像が増えても、フォルダ内にアップロードするだけでよく、何度も共有手続きを繰り返さずに済みます。以下の手順で進めましょう。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 「新規」をクリックし、「フォルダ」を選択する
- フォルダの名称を入力する
- 作成したフォルダに、共有したいデータを格納する
後は、前述の「フォルダごと共有する方法」と同じ手順で外部ユーザーにデータを共有します。
特定のユーザーのみに共有する方法
セキュリティに十分配慮すべきデータは、ユーザーを指定して共有できます。ユーザーを限定して、メールでファイルやフォルダを共有する方法は、以下のとおりです。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「鉛筆のアイコン」をクリックして、「共有の設定」を選択する
- 「特定のユーザー」を選択して、「適用」をクリックする
- 「宛先:名前、グループ、またはメール」の部分に、共有したいユーザーのメールアドレスを入力する
後は、前述の「メールでファイルや画像を共有する方法」と同じ手順で特定のユーザーのみにデータを共有します。
有効期限を決めて共有する方法
一定期間のみファイルやフォルダを共有したいときは、以下のように有効期限の設定を行いましょう。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「鉛筆のアイコン」をクリックして、「共有の設定」を選択する
- 「カレンダーのアイコン」の右横をクリックするとカレンダーが立ち上がる
- 任意の日付を選ぶと、共有の有効期限が設定される
後は、前述の「リンクでファイルや画像を共有する方法」または「メールでファイルや画像を共有する方法」と同じ手順で共有できます。
ダウンロードを禁止した状態で共有する方法
OneDrive for Business では、ダウンロードを禁止してデータを共有可能です。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「鉛筆のアイコン」をクリックして、「表示可能」を選択する
- 「ダウンロードを禁止する」にチェックを入れる
- 「適用」「送信」をクリックする
ダウンロード禁止できる対象はファイルや画像のみで、フォルダには適用できません。
パスワードを設定した状態で共有する方法
OneDrive はパスワードを設定した状態での共有も可能です。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有するファイルや画像を右クリックして「共有」を選択する
- 「リンクの送信」画面が開く
- 「リンクを知っていれば誰でも編集できます」をクリック
- 「パスワードの設定」を編集し、「適用」「送信」をクリックする
設定したパスワードは、チャットやメールなどで共有相手に伝えましょう。
OneDrive の共有を停止・解除する方法
ファイルやフォルダの所有者は、以下の手順で共有の停止・解除が可能です。
- ブラウザで OneDrive にアクセスし、サインインする
- 共有を停止・解除したいファイルやフォルダを右クリックして「詳細」を選択する
- ディスプレイ右側に表示された「アクセス権を持つ」内の「アクセス許可の管理」をクリックする
- 共有中のユーザーが表示されるので、共有を停止・解除するユーザーをクリックし、「共有を停止」をクリックする
OneDrive でファイルやフォルダを共有できない場合に考えられる理由
OneDrive でファイルやフォルダを共有できない場合は、次の理由が考えられます。
- 共有制限に達している
- アカウントを検証する必要がある
- 共有したいアイテムが個人用コンテナ(個人用 Vault )内にある
- 組織が共有を無効にしたか、制限をかけた
- Microsoft アカウントを持っていないユーザーを指定した
加入プランによっては、共有制限が設けられています。制限は 24 時間後にリセットされるため、再度試しましょう。
セキュリティ強化を目的として、 Microsoft アカウントは定期的に検証されます。アカウントのプロファイルを最新の状態にして、必要に応じて、利用規約に同意していることを確認しましょう。
個人用コンテナ(個人用 Vault )内のファイルや画像は、共有できません。別のフォルダに移動させてから共有してください。
ファイルやフォルダを右クリックして「共有」が灰色になっていれば、組織が共有を無効にしているか、制限をかけている可能性があります。責任者に連絡して対応してもらいましょう。
Microsoft アカウントを持っていないユーザーに対しては、前述の「アカウントなしで編集が可能な状態で共有する方法」を試してみてください。
OneDrive を導入するメリット
OneDrive は複数のユーザーとファイルやフォルダを共有できます。企業が OneDrive を導入するメリットについて、以下の4つがあげられます。
- 複数のユーザーで共同閲覧・編集ができる
- さまざまなデバイスからファイルの閲覧・編集ができる
- オフラインでもファイル操作ができる
- 自動でデータがバックアップされる
それぞれ詳しく解説します。
複数のユーザーで共同閲覧・編集ができる
OneDrive で共有したファイルを複数のユーザーで閲覧・編集できると、効率的です。個々のユーザーがファイルを複製して作業すると、最終的に編集内容を合わせる手間が発生します。人的ミスでデータを正しくまとめられない場合もあるでしょう。
また、ファイルが複製された状態では、どれが最終版のファイルかわからなくなる恐れがあります。1つのファイルを共同編集できれば、ファイル管理の手間を抑えられます。
さまざまなデバイスからファイルの閲覧・編集ができる
OneDrive 内のファイルやフォルダにはさまざまなデバイスからアクセスでき、アクセスするデバイス数に制限がありません。
スマートフォンやタブレット、パソコンなど手元にあるものでアクセスできるので、自宅や外出先からでもファイルの閲覧・編集が可能です。例えば以下のようなメリットが期待できます。
- 外出中にスマートフォンから OneDrive 内のファイルを閲覧・編集できる
- 出社予定を急遽在宅勤務に変更しても、自宅のパソコンから作業できるので、出社時と同じようように仕事ができる
オフラインでもファイル操作ができる
OneDrive はオンラインストレージサービスですが、オフラインでもファイル操作可能です。オンラインからオフラインに切り替わると、作業中のファイルがデバイスにダウンロードされます。再びインターネットに接続した際、作業内容を反映したファイルが自動アップロードされます。
オフラインで作業するためには事前設定が必要です。該当するファイルを右クリックして、「このデバイスで常に保持する」を選択してください。また、オフラインで作業する前に、オンラインで少なくとも1回はファイルを開いておく必要があります。
自動でデータがバックアップされる
OneDrive で作業した内容は自動で定期的にバックアップされます。ファイルを開いたときにディスプレイ左上の「自動保存」がオンになっていれば、自動バックアップが有効です。無効になっていればクリックして有効にしておきましょう。
自動でデータがバックアップされると、ハードディスクの故障や端末の紛失、サイバー攻撃が起きた際にデータを失わずに済みます。また、自動アップデートなので、手作業でデータを保存する煩わしさから解放され、保存し忘れによりデータを失うリスクも抑えられます。
OneDrive の利用が向いている企業の特徴
OneDrive の利用が向いている企業の特徴は以下のとおりです。
- Microsoft 365 を社内で活用している
- 共有・共同編集したいファイルやデータが数多く存在する
- 社外ともデータを頻繁にやり取りする
OneDrive は Microsoft が提供するオンラインストレージサービスです。すでに従業員が Microsoft アカウントを所有しているとスムーズに導入を進められるでしょう。共有して共同編集できると作業が効率化し仕事のクオリティも高まります。
また、社内外問わずデータのやり取りが多い企業にも、 OneDrive がおすすめです。最初にフォルダを共有しておけば、都度メールやチャットでデータを送信せずに済みます。
OneDriveの利用時に気をつけたいセキュリティリスク
オンラインストレージの OneDrive では、セキュリティ被害が起きる場合があります。一例を以下に示しました。
- 共有範囲を絞らなかったため、直接関係ないユーザーまでデータを閲覧していた
- ダウンロードを禁止しなかったため、情報漏洩につながった
- アクセス権限を付与されたユーザーになりすました人が、ファイルを盗み見た
強固なセキュリティ体制を敷いておけば、リスクを防げる可能性があります。従業員がセキュリティに配慮してデータを共有するためには、 OneDrive の使用ルールを決め、マニュアルを整備しておくことが大切です。
前述した共有範囲や権限の設定、有効期限の設定、ダウンロードの禁止、パスワード設定などを活用して、セキュリティリスクを抑えましょう。
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OneDriveでファイル共有を円滑に行おう
オンラインストレージの OneDrive はファイルやフォルダを共有できます。 OneDrive はオンラインでデータを共有するため、セキュリティ体制に注意する必要があります。共有したいデータの機密性に応じて、権限付与や共有範囲の設定、ダウンロードの禁止などの設定を適切に実施しましょう。
OneDrive で共有したファイルは、さまざまなデバイスから場所を問わず閲覧・編集でき、オフラインでも作業できます。また、自動でデータがバックアップされるので、データの消失や保存し忘れも防げて安心です。 OneDrive でファイル共有を円滑に行い、業務効率化につなげましょう。