昨今、生成AIが大きな注目を集めています。業務効率化に活用したいという思いもありながら、ChatGPTやGemini、Copilotなどさまざまな生成AIがあり、どれは最も自社に適しているのかわからない……とお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。 本記事では、各社の生成AIを比較検討し、社内ニーズに合った生成AI選定のポイントを探ります。
目次
1.生成AIの活用
生成AIとは
ビジネスにおける生成AIの活用
2.ChathGPTに意見を求める
3.ほかの生成AIたちの意見も聞く
Anthropic社のClaude
Google社のGemini(Bard)
各社生成AIの機能比較表
4.生成AIを選定する際に注意したい『情報鮮度』と『情報保護』
まとめ.社内ニーズに合った生成AI選定のポイントは?
1.生成AIの活用
生成AIは、ビジネスの様々な場面で活用され、業務効率化に貢献しています。
生成AIとは
生成AIとは、人工知能の一種で、テキスト、画像、音声、動画など、新しいコンテンツを生成することができるテクノロジーであり、人が使うごとにその性能は進化していきます。機械学習、特に深層学習(ディープラーニング)の発展により、人間のような自然な表現を可能にします。
ビジネスにおける生成AIの活用
ビジネスの現場では、文章作成、データ分析、プログラミングなど、様々な場面で生成AIが活用されています。特にテキスト文書の作成においては、生成AIによる自動生成や校正が業務効率化に大きく貢献しています。メールの文面やコードなどをChatGPTに依頼して修正してもらった……などの実例は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
一方で、多くの生成AIツールが登場する中、自社にも生成AIを導入し業務を効率化したいと考えながらも、どのツールが自社に適しているのか、悩む担当者の方も多いかと思います。
本記事では、ビジネスシーンで活用の多いテキスト文章作成に特化した生成AIを7つ取り上げ、機能を比較していきます。
2.ChatGPTに意見を求める
生成AIのことなら生成AIに聞く!というわけで、ChatGPTに
「ChatGPT、Gemini、Copy.生成AI、Claude、Jurassic-1 Jumbo、Megatron-Turing NLG、Microsoft 365 Copilot 上記の違いについて教えて!」
と聞いたところ、下記のように答えが返ってきました。
3.他の生成AIたちの意見も聞く
ChatGPT以外にも有力な生成AIが存在します。 ChatGPTに並んで有名な ClaudeとGeminiにも質問を投げかけ、回答を比較してみました。
Anthropic社のClaude
Claudeは、他社生成AIについて以下のように解説しました。
Google社のGemini(Bard)
一方、Geminiは他社生成AIを以下のように紹介しました。
各社生成AIの機能比較表
比較してみてわかったことは以下のポイントです。
・テキスト作成は全ての生成AIで可能
・表の作図はGemini、Claude、Microsoft 365 Copilotが可能
・添付ファイルの読み込みは無料版ではMicrosoft 365 Copilotのみ可能
・データ処理スピードはCopy.生成AI以外は高速
・自然な日本語での表現力はCopy.生成AIを除く全ての生成AIで高レベル
・無料版はJurassic-1 Jumbo、Megatron-Turing NLG以外で利用可能
|
ChatGPT |
Microsoft 365 Copilot |
Gemini |
Copy.生成AI |
Claude |
Jurassic-1 Jumbo |
Megatron-Turing NLG |
テキスト作成 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
表の作図 |
× |
◯ |
◯ |
× |
◯ |
△
※2 |
△
※2 |
添付ファイルの読み込み |
△
※1 |
◯
|
× |
△
※1 |
△
※1 |
× |
× |
データ処理スピード |
高速 |
高速 |
高速 |
中速 |
高速 |
高速 |
高速 |
自然な日本語での表現力 |
◯ |
◯ |
◯ |
△ |
◯ |
◯ |
◯ |
無料版あり |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
× |
× |
※1……有料版にアップデートすれば可能
※2……ユーザーが独自のコードやツールなどを使用して一部可能な場合がある
4.生成AIを選定する際に注意したい『情報鮮度』と『情報保護』
ここで気になるのは、「ChatGPTの回答におけるCopilotへの回答が非常に浅い」という点です。ChatGPTには2022年1月までの情報しか使用できないようになっています。Microsoft 365 Copilot は、2023年11月1日に企業向けに提供開始されたため、ChatGPTに蓄積されている情報は少ないことが理由です。
各社の生成AIアシスタントの知識の範囲や更新頻度には差があるため、情報システム担当者は生成AIアシスタントの知識の鮮度について注意を払う必要があります。
また、ChatGPTの画面には下記のような注意書きが出てくるのにお気づきでしょうか。
生成AIになんでも情報を入力してしまうと、第三者がChatGPTを利用した際の回答に、自社の機密性の高い情報が回答として使用されてしまうことになりかねません。
生成AIを社内で使用する際には、こうした情報保護の観点にも注意を払わなければならないのも悩みどころです。
こうした情報保護の観点においては、外部ツールの導入を行うことにより簡単に対策が可能です。詳細に関してはこちらをご覧ください。
まとめ:社内ニーズに合った生成AI選定のポイントは?
ClaudeとMicrosoft 365 Copilotは表の作成や添付ファイルの読み込みなど、他の生成AIにはない特徴があります。特にMicrosoft 365 Copilotはツール連携が強みです。
他の生成AIにもそれぞれ強みがあり、用途に応じた使い分けが重要です。また、無料版と有料版で機能に差があることも考慮が必要です。
情報システム担当者は、生成AIの機能、性能、セキュリティ、コストを総合的に評価し、社員の利用シーンや要望を踏まえて選定すべきです。まずは無料版で部署限定や個人単位でも試してみると良いでしょう。
生成AIは急速に進化しています。最新動向を追いつつ、自社に最適な生成AIを選定し続けていくことが求められています。
※記事内の情報は2024年4月時点のものです。生成AIツールはそれぞれ進化していますので、最新の情報をご確認ください。
参考URL
https://metaversesouken.com/生成AI/generative_生成AI/comparison/
https://www.yoshidumi.co.jp/collaboration-lab/generation-生成AI-typehttps://textcortex.com/ja/post/chatbots-with-file-upload
https://rimo.app/blogs/claude