この 1 年半で、リモート ワークは急激に浸透しました。今や従業員がどこにいても、どのデバイスを使っていても利用できるクラウド サービスが企業とってのメリットになることは、かつてないほど明白になっています。その中で、マイクロソフトが提供する Microsoft 365 のプラットフォームおよびサービスの採用と利用も急増しているのは言うまでもありません。
こういった変化や増加に伴い、データの破損や復元性、ランサムウェア、ユーザー エラーなどについても検討の必要が生じています。オンプレミスのシステムではバックアップは当然のものとして受け入れられていますが、クラウドのバックアップというと不思議に思われるユーザーや、あまり耳にされたことのないユーザーも少なくありません。ですが、プラットフォームがいかなる変化を遂げても、継続性の確保と、IT およびエンド ユーザー双方に対する保険としてバックアップが必須であることに変わりはありません。
クラウドのバックアップを初めてご利用される方のために、最適なクラウド バックアップ サービスを探すにあたって重要な点を 3 つご紹介します。
※この記事は、米国 AvePoint で 2021 年 6 月 21 日付で公開された記事 “3 Things to Look for in the Best Microsoft 365 Backup Services” を日本語編訳したものです。
1.クラウド展開
従来のバックアップ ソリューションは、オンプレミスでホストされ、対象システムに接続するように構成されてきました。そのため、組織の内部ネットワークを活用できるほか、必要に応じて手動で拡張することができました。オンプレミスのシステムでオンプレミスのバックアップ ソリューションを構築するのが理にかなっているのと同様に、クラウド ベースのサービスであれば、クラウドのバックアップ ソリューションを活用するのが理にかなった選択です。
では Microsoft 365 の場合はどうでしょうか。Microsoft 365 は Azure でホストされたプラットフォームで、最先端かつ最高のパフォーマンスを発揮する API を搭載しており、アップデートにも即座に対応できます。数千万のユーザーのニーズに合わせられる拡張性の高いアーキテクチャで構築されており、バックグラウンドでは独自の Azure サービスを多数使用しています。このようなプラットフォームをオンプレミスのソリューションでバックアップしようとすると、サーバーの大幅な拡充が必要になる可能性が高く、帯域使用の増加、最新ではない API の使用による効率やサポートの質の低下といった様々な問題が発生します。そしてこのようなオンプレミスのサポートにかかるコストと労力が積み重なることで、やがてクラウド プラットフォーム利用のメリットが打ち消されてしまいます。
引き続き Microsoft 365 を例に考えてみましょう。Microsoft 365 の環境をサポートするにあたって最善となる選択肢は、大規模かつ迅速な Microsoft 365 のアップデートと運用に対応できるクラウド、特に Azure ということになります。AvePoint の Cloud Backup ソリューションは Azure がホストするプラットフォーム上に展開され、マイクロソフトのベスト プラクティス、最新 API、スケーラブルな Azure アーキテクチャを備えており、成長を続けるコラボレーション プラットフォームをサポートします。
2.データ センターの場所
クラウドの展開は、どれもが同じように構築されるわけではありません。今やクラウド サービスは民間企業から官公庁、小売業、規制産業、そしてその他のあらゆる分野の組織で活用されています。そして、それぞれにおいてデータ主権、影響度の要件、米国連邦リスク承認管理プログラム (FedRAMP) などの認証、刑事司法情報サービス (CJIS) 、医療保険の移植性と説明責任法 (HIPAA) への準拠など、セキュリティとコンプライアンスのニーズに関する要件も異なります。そのため、バックアップのベンダーを探すにあたって、サービスがクラウドに展開されていることももちろん重要ですが、それ以上にどこに展開されるのか、そしてそのサービスが規制要件を満たせるかが大切になってきます。これはバックアップ データの場所についても同様です。
AvePoint の Cloud Backup ソリューションは、Microsoft 365 を使うユーザーのニーズにより適切に応えられるように、世界中の Azure データ センターで展開されており、Azure Government でも利用されています。バックアップ用のストレージは、同じデータ センター内の Azure BLOB ストレージや、お客様が選択したストレージに対応しています。Microsoft Azure データ センターの影響度評価に加え、マイクロソフトは米国の多数の州組織との間で CJIS 契約を締結しており、AvePoint 自身も ISO 27001 および FedRAMP の認証を受けています。このことからも、Cloud Backup は民間企業、官公庁、規制業界のニーズに十分以上に応えられるソリューションと言えるでしょう。
3.対象データの範囲
バックアップのソリューションを検討するにあたって重要なのが、基本的なワークロードだけでなく、より大きなワークロードにも対応していることです。ソリューションが実際に活用している以上のワークロードに対応する必要がある、というのは注目に値するトピックです。これが重要な場合も実際にあるからです。投資を考える際には、現在の使用条件だけに対応できるソリューションではなく、より大きなワークロードが展開され、それに伴うサポートが必要になっても、組織に合わせて成長できるソリューションに投資すべきです。
そして実際に、コロナ禍において組織内で Microsoft Teams の利用が急増したことがこれを実証しています。Microsoft 365 のバックアップ ソリューションの全てではないにせよ、多くは SharePoint Online、(SharePointの拡張機能としての) OneDrive、Exchange Online には対応していました。なぜならば、こういったワークロードはオンプレミスからクラウドへの変更が容易であり、一般的なワークロードだからです。一方、Teams は SharePoint、Exchange、Planner、Skype for Business、Azure Active Directory グループのオブジェクト上に構築されたサービスをはじめとする複数のサービスを統合し、メンバーシップやベースラインの権限管理が行われています。
これだけでも多いですが、さらに細部にわたるサービスも考慮すれば、その数は膨大なものになるでしょう。つまり、Teams はアクティブなコラボレーションを支援するサービスとして、実に多彩な要素が組み合わさった複雑なサービスとなっています。単に SharePoint や Exchange をバックアップするから「包括的」と称しているわけではないのです。
現在のような状況において組織の成長軌道を全体的に捉えた上で重要になるのが、Microsoft Groups、Teams、Planner などの複雑なワークロードもこなした上で、SharePoint、OneDrive for Business、Exchange などの基本的なワークロードのバックアップもできるソリューションです。また、ワークスペース全体だけでなく、問題と修復の必要が生じる可能性のある個々のアイテムや権限にも目をやることが重要です。AvePoint の Cloud Backup は、Microsoft 365 の利用を念頭に置いて構築されています。SharePoint や Exchange などの一般的に移行が行われてきたワークロードだけでなく、Office 365 Groups、Microsoft Teams、Planner、Project Online といった、組織がクラウド中心の環境に移行するにあたってビジネス プロセスとして採用される可能性のあるワークロードもサポートしています。そして Groups や Teams については、完全に忠実に復元するため、所有権やメンバーシップ、ファイル レベルに至るまでの様々なサブコンポーネントのバックアップも実施します。
冒頭でも述べたように、クラウド バックアップのサービスの需要はかつてないほど高まっています。テレワークにおいて、データの保護は最優先すべき課題です。だからこそ、クラウド バックアップ サービスは必ず、慎重に選ぶことが必須です。検討するにあたっては、以下の点を確認します。
- サービスが構築されているアーキテクチャは?
- データ センターはどこにある?
- サポートの範囲は?
これらの質問に対する答えがお客様の組織のニーズに合致していれば、それが貴方にとって適切なプロバイダーになりうるかもしれません。
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