Salesforce のバックアップにはサードパーティ ソリューションを

投稿日: 07/06/2021
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Salesforce は、顧客とパートナーのデータを管理するための効率的なソリューションを提供しています。その利便性を考えれば、Salesforce が顧客関係管理 (CRM) 業界をリードしていることは当然だと言えます。

ただし、これほどまでに高性能なデータ管理機能を提供している企業には、もちろんデータに対して十分なセキュリティを提供する責任があります。ところが、多くの SaaS プロバイダーが、優れたプラットフォームを提供することばかりに力を注ぎ、データ セキュリティと管理は顧客側の責任となってしてしまっています。

つまり、Salesforce を導入することは、組織のデータだけでなく、お客様やパートナーのデータを管理し、リスクから守り、保護する責任を自ら受け入れることでもあるのです。非常に重大な責任を負うように聞こえるかもしれませんが、実際に負う責任はそれだけ重大なのです。

本ブログは、バックアップと復元に関する総合的なガイドを提供することで、Salesforce のデータをより効率的に管理するために必要な情報を Salesforce ユーザーの皆様にお届けすることを目的としています。早速本題に入りましょう!

バックアップが必要な理由

バックアップを取らずにデータが完全に安全であると言い切れるでしょうか? データ センターの障害、停電、災害、人的エラーなど、データ損失の原因となり得ることは数え切れないほどあります。取引先、オブジェクト、取引先責任者といった情報資産の喪失は、ビジネスに深刻な影響を与えます。

データ損失を「軽度」、「重度」に分類できるとしても、ビジネスと法的な観点から考えれば、結局どちらも企業に何らかのリスクをもたらします。データをバックアップすることで、そのすべてを防ぐことができます。

※この記事は、米国 AvePoint で 2021 年 5 月 6 日付で公開された記事 “The Ultimate Guide to Salesforce Backup and Recovery” を日本語編訳したものです。

バックアップが必要なデータ

重要なのは Salesforce 上に存在するデータの中で、極めて重要なデータと復元できるように保護すべきデータを把握することです。効率的なバックアップ サービスには、「取引先」、「取引先責任者」、「リード」、「商談」、「ケース」、「契約」など主なデータ タイプをすべて保護することが求められます。

もちろん、主なデータ タイプに加え、カスタム オブジェクト レコードやファイル、コンテンツのバックアップも当然求められます。ただし一部の企業にとっては、これらのバックアップだけでは十分とは言えません。自社でカスタマイズした独自の構成やフィールド、ページ レイアウトやメタデータを使用している企業は、そのすべてをバックアップする必要があるからです。

Salesforce で一般的なデータ損失シナリオ

意図的か否かを問わず、Salesforce 上のデータが削除されるケースはたくさんあります。ここでは、実際に企業で頻発している事例をいくつかご紹介します。いずれもサードパーティー提供のバックアップ & 復元ソリューションによって発生を防ぐことができます。各事例をご覧になり、防止すべき操作や行動、事態について理解を深めてください。

ユーザー起因の誤操作: これにはユーザーが行いがちな誤操作が該当します。データの中には、ユーザーによる操作がデータの削除につながるものがありますが、ユーザー自身がその理由を認識していないことがあります。また、退職する従業員が退職前にデータを変更した場合、社内には変更した張本人はおろか、残されたデータを把握している者もいないため、変更によって失われたデータの復元はさらに難しくなります。更には、アイテムは削除してもごみ箱の中に保存されるから問題はないと思い込んでいるユーザーもいます。こういったユーザーは、ごみ箱に一定の保存期間があることを把握していないのです。

削除されたアイテムは Salesforce 上のごみ箱で保存されますが、アイテムのバージョン履歴は保存されません。よって、アイテムを削除する前に不要な変更が行われていた場合、元のデータを復元することは当然できません。

管理者起因の誤操作: ユーザー起因の誤操作とは異なり、管理者起因の誤操作はより大規模なデータ損失につながり、さらに複雑な復元手段が必要となります。管理者起因の誤操作は、管理者がデータの更新や変更、何らかの操作を一括で行うためにデータ ローダを使用する時に発生することがほとんどで、発生すると簡単に大量のデータが削除されてしまいます。自分が削除したデータを管理者自身が把握していないことさえあります。また、データ ローダにアクセスできるのは管理者に限られません。データ ローダへのアクセス権を持ってさえいれば、誰でも大量削除などの操作を実行できてしまうのです。

例えばパワー ユーザーが誤って 32,000 件のレコードをデータ ローダで削除してしまった場合、削除されたレコードが最長で 14 日間、ごみ箱に保存されます。このレコードを復元する唯一の方法は、ページごとにごみ箱からレコードを復元する方法ですが、これには膨大な時間と労力が必要となります。

Salesforce のデータ保護対策

データ復旧サービス

Salesforce のネイティブ バックアップ & 復元ソリューション「データ復旧サービス」は、サポート リクエスト経由で指定の時間にデータとメタデータを復元する Salesforce ユーザー向けのプラットフォーム ソリューションです。「スケジュール済みデータ エクスポート」機能を使用すれば、メールで受信したリンクからデータを受け取ることができます。リンクは 48 時間で期限切れとなります。リンクの期限が切れた場合、プロセスを最初からやり直す必要があります。

このサービスを利用している顧客が少なく、サードパーティーからもいくつかソリューションが提供されているため、昨年 Salesforce はこのサービスの停止を発表しました。ところが、Salesforce は、新たなバックアップ & 復元システムをプラットフォームに組み込むという発表と共に、昨年の発表を撤回し、同サービスのアップデートをリリースしました。プラットフォームに組み込まれる新たなシステムは、「データ復旧サービス」よりも優れたシステムになると言われています。

disaster recovery他のネイティブ バックアップ ツール:

1.データ エクスポート サービス: このサービスを使用すれば、画像、ドキュメント、添付ファイル、Chatter ファイルなどのデータを週ごとや月ごとに自動または手動でバックアップできます。ただし、サンドボックスでデータのエクスポートがサポートされていない、ファイルはエクスポート完了後 48 時間で削除されてしまう、といったデメリットがあります。またトラフィックが増加している場合は特に、遅延が発生する可能性があります。こういったケースでは、AvePoint Cloud Backup などサードパーティー製ツールが役立ちます。Cloud Backup を使用すれば、わずか数分ですべてのデータを効率的にエクスポートできます。これは時間に追われている時に特に役立ちます。

2.レポートのエクスポート: 「キャンペーン取引先責任者」や「リード」レコードなど指定したデータのバックアップに使用できます。指定したデータをエクスポートし、Salesforce の別の環境や Excel などサードパーティー製アプリケーションにインポートできます。ただし、手動で行う単純なプロセスであるが故に、人的エラーが起こりやすく、すべてを自動化することがさらに重要となります。

3.Salesforce API: 外部アプリケーション経由で Salesforce 上の情報をバックアップする場合、Salesforce API が役立ちます。より総合的なソリューションをお求めの場合は、Cloud Backup が役立ちます。Cloud Backup を使えば、簡単にメタデータとカスタマイズされた他の構成も保護、復元できます。

ネイティブ復元ツール:

  1. ごみ箱: ごみ箱からは、親取引先、ケース、カスタム参照など論理削除 (ソフトデリート) したレコードを簡単に復元できます。ごみ箱に移動されたレコードは、15 日間保存され、その後完全に削除されます。ほぼすべての企業において、削除したデータはさらに長期間保存することが求められます。長期間の保存が必要な場合は、AvePoint にお任せください。データをバックアップし、必要な期間データを保存できるようサポートさせていただきます。
  2. データ インポート ウィザード: 取引先、リード、カスタム オブジェクトなど、Salesforce のオブジェクトのデータをインポートする場合、データ インポート ウィザードをお使いいただけます。
  3. データ ローダ: データを一括インポートまたはエクスポートする場合、データ ローダが役立ちます。インタラクティブに利用でき、ドラッグ アンド ドロップ操作でフィールドのマッピングを行うことができる使いやすいウィザード インターフェースを使って、Salesforce のレコードを挿入、更新、削除、エクスポートできます。

ごみ箱は、決められた期間、論理削除 (ソフトデリート) されたデータを復元できますが、データ インポートとデータ ローダには、クリティカルなデータを復元するためのオプションがほとんどありません。代わりにデータ インポートとデータ ローダは、既存のデータを更新、編集するオプションにより特化しています。一方 Cloud Backup for Salesforce は、本来の場所にあるデータも削除されたデータも一括で完全にバックアップ & 復元できます。

メタデータ API によるメタデータ管理

先ほど触れた通り、カスタム オブジェクト レコード、構成、コードなど、メタデータも主なデータ タイプ同様に重要なデータとなります。メタデータ API を使用すれば、Salesforce 環境でメタデータをバックアップ、復元、管理、カスタマイズできます。

  • メタデータの展開 & 取得: deploy() コールと retrieve() コールを使用して、Salesforce 組織とローカルのファイル システム間でメタデータ (XMLファイル) を移動できます。
  • com 移行ツール: この移行ツールは、ローカル ディレクトリと Salesforce 組織間のメタデータの移動に役立ちます。

Salesforce のネイティブ バックアップと復元サービスの限界

Salesforce のネイティブ バックアップ & 復元サービスがわかりにくいのは、サービス自体が複雑だからです。ただしそれ以上に、データを完全にバックアップする機能に限界があることが (データの復元は手動で行う必要があり、復元にかかるコストが高額であることも相まって)、Salesforce のサービスだけを頼りにすることが難しい理由となっています。

したがって、サードパーティー製ソリューションを導入することが極めて重要となります。効率的なバックアップと復元ソリューションには、重要なデータとメタデータを完全に保護することはもちろん、使いやすく、信頼でき、必要な時に速やかにデータを復元することを可能にする機能が備わっていることが求められます。

★Salesforce に投資したからには、データ保護を徹底する必要があります。
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