【Microsoft Ignite 2019 ビジョン キーノート・速報レポート】 ついに登場! Microsoft Teams プライベート チャネル、そして Power Platform に変化の嵐

投稿日: 11/05/2019
feature image

Microsoft Ignite 2019 ビジョン キーノート ハイライト

Microsoft Teams のプライベート チャネル公開などの重大発表が相次ぐ一大イベントとして、11 月 4 日から 8 日まで米国・オーランドにて開催中の Microsoft Ignite 2019。その幕開けを飾る ビジョン キーノート (基調講演) のハイライトを、会場の AvePoint メンバーが撮影した写真とともに速報レポートとしてお届けいたします。

また、11 月 19 日 (火) の 12 時より、Microsoft Teams のプライベート チャネル機能 など、今回発表されて大きな話題を呼んでいる新機能を AvePoint の中村太一 (Microsoft MVP) が解説するオンライン セミナーを開催いたします。どうぞお楽しみに!

【追記】現在は無料オンデマンド配信中です。視聴申し込みは↓↓↓こちらから↓↓↓
Microsoft Teams

【ユニバーサル スタジオと 「テック インテンシティ」】

Microsoft Ignite 2019 コアノート ハイライト全世界から集まった約 30, 000 人の参加者を迎え、登壇したサティア・ナデラ氏は、去年の Ignite で紹介されたコンセプトであるテックインテンシティ (tech intensity) を切り口にビジョン キーノートを開始しました。

Azure Connect 等を援用したアトラクションに利用されている技術を自身で体験した映像を使い、「テックインテンシティ」 の概念を紹介した同氏は、「(Microsoft は) 存在するすべての企業に、Tech company になってもらいたいと考えており、そのために力を貸したいと考えている。そして、参加者の皆さんには、それを支えるコミュニティとなってもらいたい」 と語りました。

【500 億個のコネクテッド・デバイスと、175 ZB のデータ】

Microsoft Ignite 2019 コアノート ハイライト次いでナデラ氏は、「2030 年までに、500 億個のコネクテッド・デバイスが登場することになる」「2025 年までに、存在するデータの総量は 175 ZB となる」 との予測を取り上げ、Azure をそのための 「世界のコンピューター」 として構築していく考えを示しました。

同氏はハイブリッド コンピューティングの次のステップとして Azure Arc (アジュール アーク) を、「Azure SQL Data Warehouse の進化形となる」 アナリティクス サービスとして Azure Synapse Analytics (アジュール シナプス アナリティクス) を発表しました。

【コールド ストレージを変革する Project Silica】

また、今回のキーノートでは、フェムト秒レーザーを援用し、セルロイド製のフィルムよりも電子データよりも長く記録を残すことのできる、強靭な耐久性を誇るクオーツ製ストレージ Project Silica の成果発表も行われました。

ナデラ氏によると、この技術によって、オリジナル版 「オズの魔法使い」 や 「スーパーマン」 など、ワーナーがセルロイド フィルムの形態で持っている映像を損なわずに長期保存することが可能となり、記録媒体は電子レンジで加熱しても茹でてもスチールウールでこすっても問題なく使えるほど耐久性に優れているとか。上の写真でわかるように、記録媒体はポケットに入るほどのミニサイズです。

【進むアプリの民主化、大変動の Power Platform – Microsoft Flow の改名 & Power Platform の仲間入り】

職業としてアプリの開発に従事する開発者の枠を超え、一般のユーザーが自分たちの手でアプリを開発する 「アプリの民主化」 の後押しへの姿勢は今回も顕著でした。

ナデラ氏は、「2019 年にはビジネス アプリが 720 万作成されたが、2023 年までには 5 億以上のアプリが新規作成される。そのためには、市民開発者 (citizen developer) への支援が必要不可欠」 との予測を示しました。

会場で流れたビデオにはなんと AvePoint Japan 中村の姿も!

同氏はこれを受け、既に 250 万人以上の市民開発者が利用している Power Platform においては、Microsoft Flow に RPA 機能が搭載され、「Power Automate 」となること、また、AI 駆動型のインテリジェントなバーチャル エージェントの展開を非技術者にも可能にする、ロー/ノーコード でボットを構築できる「 Power Virtual Agents 」が仲間入りすることを発表しました。

デモでは、芝生の管理会社が Power Automate と Power Virtual Agents を援用し、ローコードで顧客とのやり取りを自動化することに成功した例や、全米各地にいる米国赤十字社のボランティアが、Microsoft Teams と Power BI をはじめとする Power Platform を利用して危機対策にあたった例が紹介され、「開発の知識がない人でも、予算が多くない中小企業でも、時間もお金もかけずにビジネスを変革することができる」 とのメッセージが強力に打ち出されていました。

これまで現場レベルでの作成が困難な傾向にあった RPA を一気に身近なものとしてくれる可能性を秘めている Power Automate ですが、Microsoft Teams と同じく、管理対策が問題になってくることも予想されます。ライセンス等も含め、今後の方向性に注視したいところです。

【Microsoft Teams プライベート チャネル & マルチ ウィンドウ、Project Cortex】

ついに Microsoft Office 365 の登場です。
ナデラ氏は、「仕事を中断しなくてはならなくなってから、元の仕事に戻ることができるまでには 25 分必要」「マルチタスクを行うと、業務効率は 40% 低下する」 という数字を挙げ、Microsoft 365 を 「世界の生産性クラウド」(the world’s productivity cloud) としていくことで、最も重要なことに各メンバーが注力できる環境をつくりたいとの考えを示しました。

1 万人以上の従業員を抱える世界の大規模企業・組織のうち 350 社以上が Microsoft Teams を利用しており、「Microsoft Teams は画期的な経験 (breakout experience)」 と語る同氏は、チームワークのハブ (中心点) としての Microsoft Teams の立ち位置を再認識するとともに、待望されていた プライベート チャネル、マルチ ウィンドウ チャット、会議用の別ウィンドウなどの機能追加を発表しました。

特にプライベート チャネルについては、2018 年から 「近日中に公開」 との話があったものの、なかなか発表に至らなかったという経緯があり、大きな話題を呼んでいます。

同じ Office 365 ファミリーである Outlook や Yammer とのより強力な統合、Microsoft Graph を援用して企業・組織が既に保持しているデータをナレッジに転換する Project Cortex (プロジェクト コーテックス) も発表され、今後の展開がいよいよ見逃せなくなりそうです。

【おわりに】

Microsoft Ignite 2019 コアノート ハイライト 、Microsoft Ignite 2019 の速報はいかがでしたでしょうか? AvePoint Japan のブログでは、今後数日、会場から発信される Microsoft Teams をはじめとする最新情報を、皆様にいち早くお届けする予定です。どうぞお楽しみに!

 

Share this blog

ブログを購読する