Power Automate で Python を活用する方法とできること

投稿日: 11/17/2024
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業務のデジタル化が進み、以前に比べればさまざまな業務の効率化が進んでいます。

デジタル化された業務のなかでも、同じ作業を繰り返す定型業務を人手を使わずに自動化するツールとして登場したのが、 RPA です。ただ、 RPA は基本的に単純な定型業務の自動化が中心であり、複雑な業務の自動化は簡単には実現しません。

そこで本記事では、 Python を活用し、 Microsoft 社による RPA ツール、 Power Automate で複雑な業務の自動化を実現させる方法についてお伝えします。 RPA を導入したい、導入しているものの思ったような自動化が実現しないといった際は、ぜひ、参考にしてください。

Power Automate とは

Power Automate とは、 Microsoft 社が提供している RPA ツールです。

RPA とは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略称で、主にパソコンを使って行う定型業務を自動化します。具体的には、各支店から報告される売上を集計して Excel で表を作成する、毎月決まった商品を納品する取引先の請求書を作成するなどです。

Power Automate は、難しい業務ではないものの、絶対に間違えてはならない定型業務を自動化し、ミス削減と業務時間の短縮を実現します。

Power Automate のもう一つのメリットは、基本的にノーコードでプログラミング知識がなくてもロボットを作成できる点です。プログラム知識がない方であっても、業務を自動化するロボットを作成できるため、業務の大幅な効率化に貢献します。

特に Power Automate は Microsoft 社が提供しているため、 Office 製品との相性がよいのが大きなメリットです。例えば、Excel で集計した売上表を各支店の店長宛てに Outlook からメールで送信するといったことが簡単に行えます。

Python とは

Python は、プログラミング言語の一つです。オープンソースである点、コードの記述が短くシンプルな点などが特徴で、プログラミング初心者でも比較的容易に習得できます。

Python のもう一つの特徴として挙げられるのが、ライブラリやフレームワークが豊富で幅広い分野で活用できる点です。Python は、Webサービスやアプリケーションの開発、データ収集や分析、処理の自動化などさまざまな分野に活用できます。

習得自体は比較的容易でありながら、汎用性が高い言語であるため、人気の言語です。また、 EC サイトでのおすすめ機能や迷惑メールの分類など、人工知能( AI )を活用したサービスの開発ができることも Python が多くのプログラマーに人気の言語である要因となっています。

Power Automate で Python を活用する方法

Power Automate は、 Python を活用することで、より複雑な業務の自動化が可能になります。Power Automate で Python を活用するには下記の流れですすめていきましょう。

  1. Power Automate の「システム」から「スクリプト」に移動して「 Python スクリプトの実行」をドラッグする
  2. 表示された「パラメータの設定画面」で値を指定する
  3. 実行する Python のコードを指定し、結果を Print で生成された変数の PythonOutput で受け取る

以上の手順で進めることで、 Power Automate で Python を活用できるようになります。

Python を活用して Power Automate でできること

RPA は基本的に単純な定型業務の自動化を行うツールです。そのため、例えば A を選択した場合と B を選択した場合で次の工程が大きく変わるような複雑な業務の自動化には向いていません。それは Power Automate であっても同様です。

しかし、 Python を活用すれば、複雑な業務であっても自動化を実現できます。例えば、 Power Automate のクラウドサービスと連携してアプリやサービスでの操作を自動化する機能である「クラウドフロー」に Python を使えば次のようなことが可能です。

  1. Outlook で受け取ったメールの件名や本文を Python で解析し、問い合わせ内容に応じて適切な部署の Teams のチャネルに自動転送する
  2. メールの返信状況を自動追跡し、未対応のメールがあれば、定期的にリマインダーを Teams に返信する

Power Automate に Python を取り入れてみよう

Power Automate は、 Microsoft 社が提供している RPA ツールであり、主にパソコンを使って行う定型業務を自動化できます。 Power Automate により、これまで手作業で行っていたデータ入力や表作成などが自動化されるため、大幅な業務効率化が実現します。

しかし、 RPA は基本的に定型業務の自動化を得意としており、条件分岐が多い複雑な業務には向いていません。そこで効果を発揮するのが Python です。

Power Automate に Python を活用すれば、単純な定型業務だけではなく、より複雑な業務の自動化も実現し、さらなる業務効率化が期待できます。

Power Automate を導入したものの、思ったような効率化が果たせていない場合は、 Python を取り入れることを検討されてみてはいかがでしょうか。

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