Web 会議ツールには以外にもさまざまな機能がありますが、今回紹介する録画機能もその一つです。会議やミーティング、ウェビナーなどを後から見直したり、会議に参加できなかった人に会議内容を共有できるため、欠かせない機能といえるでしょう。
本記事では、 Microsoft が提供するコミュニケーションプラットフォーム「Microsoft Teams」 の録画機能について、保存先や共有方法をお伝えします。会議の主催者やウェビナー担当者で録画機能を活用したい方はぜひ、参考にしてください。
Teams の録画機能の概要
Teams の録画機能は、 Teams を使って行われる会議やミーティング、ウェビナーを録画し、共有を行える機能です。議事録を作成する際に細かい部分を見返したり、会議に参加できなかった社員に後から共有したりといったことが行えます。
また、ウェビナー開催時にはアーカイブとして保存することで、リアルタイムで参加できない方にも閲覧してもらうことが可能です。
Teams では、最大で 4 時間の録画が可能です。すべての参加者が退席すると自動で録画が停止されるため、誰もいない会議を録画し続ける心配もありません。
そして閲覧の有効期限を設定すれば、誰も閲覧しなくなった古い録画がストレージを圧迫することもなく、安心して利用できます。
Teams の録画データの保存先
Teams の録画機能を使って録画したデータは、会議の種類によって保存先が異なるため、後から見返す際には注意が必要です。
Teams内で作成したチームで行うチャネル会議を録画した場合は、 Microsoft が提供するコラボレーションやドキュメント管理を行うためのソフトウェア「SharePoint」に保存されます。
そして、チャネル会議以外の会議を録画した場合の保存先は、 Microsoft が提供するオンラインストレージ「OneDrive」です。
Teams の録画機能の使い方
Teams の録画機能では、基本的には難しい操作が必要なく、誰でも簡単に利用できます。ここでは録画の開始と停止、再生、共有、ダウンロードの方法について順を追って見ていきましょう。
レコーディングを開始する・停止する
Teams の録画機能では、会議開始前に録画予約をすることはできません。会議の開始後、会議コントロールに移動し、「・・・(その他のアクション)」をクリックするとメニューが表示されるので、「記録を開始する」を選択すると録画開始です。
また、同時に参加しているすべてのユーザーに録画が始まったことが通知され、画面右上に録画中のアイコンが表示されます。
なお、 IT 管理者の許可が出ている場合は、録画と同時に文字起こしも開始されますが、表示させるかどうかは参加者の自由です。
録画を停止するには、開始時と同様、会議コントロールに移動し、「…」をクリックしたら「レコーディングを停止」を選択します。ちなみに録画機能を利用できるのは、管理者が録画の許可をしている人だけです。複数の参加者が同時に録画することはできません。
Teams の録画時間は最長で 4 時間ですが、 4 時間を超える会議の場合、改めて録画を開始すれば、その後の会議も録画できます。録画を開始したユーザーが途中で退席した場合でも録画は継続されますが、 4 時間後に停止となった場合、開催者もしくは開催者が設定したユーザーがいないとその後の録画はできません。
録画した内容を再生する
録画した会議の内容は、 Teams 上もしくは、録画を保存したSharePointやOneDriveで再生可能です。 Teams 上で再生するには、チャットまたはチームチャネル上に録画されたデータが表示されているので、クリックすれば再生されます。
SharePoint や OneDrive で再生するには会議コントロールの「・・・」から、チャネル会議の場合は、「 SharePoint で開く」を選択。それ以外の会議であれば、「 OneDrive で開く」を選択します。
なお、録画中に後追いで再生することはできません。会議が終了し、録画停止をした後で再生ができるようになります。
録画した内容を共有する
録画した内容は、参加したユーザーはもちろん、参加できなかったユーザーにも共有可能です。チャネル会議以外の会議で OneDrive に保存された場合、参加したユーザーには自動でデータが共有されます。
参加できなかったユーザーには、 SharePoint 、 OneDrive 上にある録画データを直接共有もしくはメールやチャットでリンクを送信するだけで共有できます。
また、録画した内容をダウンロードしてローカルに保存していれば、 DVD や Blu-ray などの媒体にコピーし、メディアとして渡すことでも共有ができます。
録画した内容をダウンロードする
録画を開始したユーザーと会議の開催者に限定されますが、録画したデータをダウンロードすることも可能です。
やり方は録画が保存されたSharePoint、OneDriveで、ダウンロードしたいデータを選択し、画面上部にある「ダウンロード」を選択するだけです。また、ファイルを右クリックして「ダウンロード」を選択する方法でもダウンロードできます。
Teams で録画したデータを削除する方法
Teams で録画したデータの削除は、 SharePoint と OneDrive によって方法が異なります。ここではそれぞれの削除方法ついて見ていきましょう。
SharePointに保存されたデータを削除する方法
SharePoint に保存されたデータの削除の方法は下記の通りです。
- SharePoint でドキュメントライブラリを開き、削除するアイテムを選択する
- ファイル名の左側にチェックマークがついているのを確認し、リストの上にあるツールバーの「削除」を選択する
メッセージボックスの「削除」を選択し、操作の確認をします。ドキュメントライブラリの上部に、データが削除されたと通知するステータスボックスが表示されれば、削除完了です。
OneDrive に保存されたーデータを削除する方法
OneDrive に保存されたデータの削除の方法は下記の通りです。
- ファイル一覧で削除するアイテムにマウスを当てると左側に円チェックボックスが表示されるので、チェックを入れる
- ページ上部にあるバーから、「削除」をクリックすると確認のポップアップが表示されるので、「削除する」を選択する
ページ右上に削除したデータの名前が表示されれば、削除完了です。
なお、録画したデータを削除できるのは、録画を行ったユーザーもしくはそのユーザーが後から追加した会議の所有者のみとなります。
Teamsで録画する際の注意点
便利なTeamsの録画機能ですが、録画を行う際や録画の保存設定に注意しないと、後からトラブルに発展してしまうかもしれません。
そのため、ここでは「録画の許可」「録画機能を利用できるユーザー」「録画の削除」についての注意点を解説します。
事前に参加者に録画の許可を取る
会議の録画をする際は必ず参加者全員に録画の許可を取る必要があります。さまざまな事情で録画をされたくない参加者がいるケースは少なくありません。
そのため、顧客情報や社内の機密情報などセキュリティリスクがある内容に触れるような会議でない場合でも、必ず録画してもよいかどうかをの確認をしましょう。
また、ウェビナーや社外ミーティングなど、自社以外の人が参加する場合は、特に許可の取得は必須です。
許可なく録画し、参加者や参加できなかった人へ共有してしまえば、場合によっては企業の信用が失墜してしまうリスクも十分に考えられます。プライバシーへの配慮は忘れずに行うようにしましょう。
無料版のTeamsやゲストユーザーでは録画機能を利用できない
会議を録画しようと思っても録画ができない場合もあります。録画機能が利用できない理由はいくつか考えられますが、主として挙げられるのは次の2点です。
無料版のTeamsを使用している
無料版として提供されているTeamsには録画機能がないため、会議の開催者であっても会議を録画することはできません。録画するには必ず有料版のTeamsで会議を行う必要があります。
ゲストユーザーでログインしている
ゲストユーザーとしてログインしている場合も、録画機能は利用できません。有料版のアカウントを取得し、開催者もしくは開催者から録画できるユーザーとして設定してもらう必要があります。
ほかにも、管理権限を持つユーザーが、録画を禁止にしている場合は、有料版のアカウントであっても録画はできません。
なお、Teamsにおいて録画の開始と停止ができるユーザーは次のとおりです。
- 録画の開始・停止ができるユーザー:会議の開催者、同じ組織のユーザー
- 録画の開始・停止ができないユーザー:別の組織または会社のユーザー、ゲスト、匿名のユーザー
録画データは有効期限が過ぎると自動的に削除される
録画データの有効期限は管理者が設定できます。有効期限は自由に設定でき、無期限とすることも可能ですが、有効期限を設定した場合、その時期を過ぎると自動でデータは削除されます。
有効期限の設定方法は、 OneDrive または SharePoint の「マイファイル」で、一覧表示させ、設定したいデータにマウスを置き、データ名右側のアイコンから「詳細」選択。詳細ウィンドウにある「有効期限」で行います。
公開はしなくとも保存しておきたいといった場合は、有効期限が来る前に必ずローカルに保存しておくようにしましょう。
Teams の録画機能をビジネスに活用しよう
Microsoft が提供するコミュニケーションプラットフォーム、 Teams の Web 会議ツールには録画機能があり、議事録を作成したり、不参加者に共有したりなどが可能です。
多くの企業で Web 会議が一般化した今、録画機能の活用により、さらなる業務の効率化が実現します。また、ウェビナーを録画すれば、リアルタイムで参加できないユーザーも視聴できるようになるため、より多くの集客も期待できるようになるでしょう。
録画はそれほど難しい操作を必要としませんが、だからこそ注意しなくてはならない点もがあります。特に気を付けたいのは、参加者のプライバシー保護です。
特に社外からも多くのユーザーが参加するウェビナーの場合、事前に録画することを伝え許可を得ておかないと、後からトラブルに発展するリスクも考えられます。プライバシーへの配慮不足は企業の信頼失墜にもつながる可能性もあるため、十分な注意が必要です。
感染症の拡大防止対策として一気に普及が進んだ Web 会議ですが、今後はスタンダードな会議方式の一つとして定着することが予測されます。録画機能を適切に活用し、会議内容の共有をスムーズに行い、生産性向上を実現させましょう。
★Teams活用に関する関連ブログ、無料eBookもぜひご参考ください!
【無料eBook】
・組織に合わせた Microsoft Teams の使い方とカスタマイズ方法
・Microsoft Teams Tips 生産性を向上させる18のヒント
【関連ブログ】
・Teams の障害で起きる不具合と障害情報をリアルタイムで確認する方法を解説
・Teams のファイルの共有・共同編集の方法と注意点、よくある質問を解説
・Teams の容量の確認方法とは ? 拡張方法や制限方法についても解説
・Teams のセキュリティリスクとは?想定されるリスクと対策を解説
・Teams のゲストとは?招待方法・参加方法からトラブル解決法まで解説