Microsoft Teams と Slack を比較! コラボレーション ツールとして優れているのは?

投稿日: 02/23/2022
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Microsoft は 2016 年に Slack を 80 億ドルで買収することを検討していたもののこれを見送り、かわりに既存の Skype for Business モデルを拡大するという重大な決断をしたと言われています。そして、これが Microsoft Teams の誕生につながりました。2017 年のローンチ以降、Microsoft Teams は企業のコラボレーション サービスのあり方を変革してきました。 

※この記事は、米国 AvePoint で 2022 年 11 月 2 日付で公開された記事 “Microsoft Teams vs. Slack: Which is Better?” を日本語編訳したものです。

Slack は一日あたりのアクティブ ユーザーが 1000 万人に達するのに 6 年かかりましたが、Teams は 3 年たたずに 1300 万人に到達しています。 さらに、2020 年 4 月に Microsoft が発表した一日あたりのアクティブ ユーザー数は 7500 万人を超えており、2021 年 4 月の発表では 1 億 4500 万人に達したと報告しています。 

一方、2020 年初めの Microsoft の発表を受けてなお、IBM は 35 万人の従業員に対して全面的に Slack を展開することを発表しました。これにより IBM は Slack 最大の顧客となっています。 

この熾烈な競争にともない、「なぜ Slack を選ぶユーザーと、Microsoft Teams を選ぶユーザーに分かれるのか」と疑問に思われる方もいるかと思います。 

この 2 つのコラボレーション プラットフォームは、一見すると似通っていますが、設計や構造面では大きく異なっています。 

この記事では、Slack と Microsoft Teams のどちらがご自身やビジネスにとって最適なのかを考え、選択するにあたって留意すべき重要な違いをご紹介します。 

価格 

価格面でお買い得なのはどちらでしょうか?その答えは、何を求めているかによります。 

Slack も Teams も、小規模な企業やお試しで使ってみたいという方向けに、多くの機能が含まれた無料プランを用意しています。 

Microsoft Teams と Slack の無料プランに含まれる機能 

しかし、すでに大規模なチームや成長しているチームの場合、すぐに無料プランの壁につきあたるでしょう。 

有料プランのうち、Slack プロのプランであれば、メッセージ履歴とインテグレーション機能が無制限、ファイル ストレージはユーザーあたり 10 GB となります。現在の料金は、ユーザーあたり月額 850 円となっています。プロ プランでは、外部とのコラボレーションやセキュリティ機能も利用できます。 

Microsoft Teams の Business Basic プランでは、ユーザーあたり 1 TB の OneDrive のファイル ストレージが付与され、チャットでのファイル添付、チームおよびチャネル内でのファイル共有が可能になります。現在の料金は、ユーザーあたり月額 540 円となっています。Business Basic プランでは、セキュリティとコンプライアンス、管理機能が追加され、SharePoint や Online、Yammer、Planner、Stream といった Office 365 のサービスも利用できるようになります。 

現時点で、Microsoft Teams はスタンドアローンの製品ではなく、Office 365 のすべてのプランにアドオンとして付属しています。しかし、マイクロソフトはあらゆる規模の企業が適切なプランを見つけられるように、さまざまなプランを用意しています。 

特長と機能 

プラットフォームを決めるにあたり、「このプラットフォームは従業員の業務をどのように改善するだろうか?」と自らに問うことが大切です。 

従業員がプラットフォームから離れる必要が少ないほど、できることは増えます。そのため、Slack と Microsoft Teams にはプラットフォームにとどまったまま効率的に仕事ができるように、連携や会議、チャネルといった機能が多数備わっています。 

インテグレーション 

Teams と Slack は、ユーザー エクスペリエンスを向上させるため、実に多くのボットやアプリとインテグレーションされています。アプリケーションの数で言うと、Slack ユーザーは 1500 を超えるサードパーティ アプリから選ぶことができます。これは Teams を大きく上回ります。 

一方、Teams は強力な Office 365 プラットフォームを基盤としているため、サードパーティ アプリだけでなく、シームレスで優秀なアプリとインテグレーションされています。 

いずれのプラットフォームにもサポート用のボットが搭載されており、Slack には Slackbot、Teams では Teams ボットがユーザーの質問に回答します。 

Slackbot はタスクの効率化に優れており、多くの Slack ユーザーから大きな支持を集めています。Slackbot を使うことで Slack に関する質問への回答が得られるほか、個人用のリマインダーへのアクセスや設定なども可能です。Slackbot はダイレクト メッセージから簡単に利用できます。 

Teams に搭載されたボットは Microsoft Graph を利用しており、名前やトピックによる組織情報の検索を支援します。たとえば「ユーザー調査について知っている人は?」という質問をしたとき、組織内の該当者を回答として得られます。ボットにアクセスするには、Teams 上部のコマンド ボックスに「/担当者」と入力するか、左側のナビゲーション メニューの「…」をクリックします。 

Microsoft Teams のみで使えるアプリとして特筆に値するのが、無料アプリの AVA  と MyHub です。AVA は、Office 365 のどこにあるか分からなくなったコンテンツや削除されたコンテンツを復元できる強力なバックアップ用チャット ボットです。MyHub は、IT 部門を介さなくてもポリシーに基づいてユーザーにワークスペースをプロビジョニングできるクラウド ガバナンス アプリです。こういったアプリは、管理者を単純で煩雑な作業から解放し、ユーザーに自律性を与え、ユーザー自身による課題解決を促します。 

会議 

Slack と Microsoft Teams は、いずれもオンラインの音声およびビデオ通話が可能です。しかし、マイクロソフトは長年にわたって大企業や中小企業向けコミュニケーション アプリによるコラボレーションの経験を培っており、これに基づいて構築された Teams の会議機能が Slack を上回っているのは当然とも言えるかもしれません。 

Slack は無料版では 1 対 1 の通話が可能で、有料版では画面を共有できるようになり、15 人での通話までアップグレードできます。また、Slack は 2020 年からさまざまなサードパーティ アプリを使って通話できる便利なオプションも実装しています。 

一方、Teams は無料版でも最大で 250 人までが参加する会議を開催できます。有料プランにアップグレードした場合、Teams のライブ イベントを通じて組織内外で最大 1 万人が参加する大規模な会議やウェビナー、全社イベント等を開催できるようになります。 

Microsoft Teams は会議の録画やスケジュールを設定した会議、背景のぼかし、私のお気に入りである画面共有といった便利な機能を、会議を開かずとも利用できます。 

チャネル 

Slack と Teams は、いずれもプライベート メッセージとチャネル機能を利用でき、左側のサイド バーから簡単にアクセス可能です。 

Microsoft Teams ではアプリ内に構造化された「チーム」を作成してコンテンツ構造を強化することで、セキュリティとデータ管理機能を追加できます。部署やプロジェクトごとにチームを作成すると、専用の Office 365 グループが作成され、Office 365 で利用できるほかのアプリとチームが統合されます。 

たとえば SharePoint サイト、OneNote、Planner、wiki ページ、グループ カレンダー、配布用メール アドレス等との統合が可能です。もちろん、プライベート チャネルも追加できます。これにより、チーム内の特定ユーザーを対象としてさらなるセキュリティを確保することも可能です。 

Slack のチャンネル関連の新機能でとりわけ楽しみなのが、独自のメール アドレスを使って Slack チャンネルに直接メールを送信できる機能です (有料プランのみ)。一部のメールは自動転送も可能となっています。 

Slack ではほかにもチャンネル管理ツールも使用できます。このツールでは、プライマリー オーナーが投稿権限の管理やチャンネル名の変更、チャネルのアーカイブなどを行えます。さらに、ユーザーは最大 19 のほかの組織とチャンネルを共有できるようになりました。これにより、外部と安全なコミュニケーションやコラボレーションを確立できるようになりました。 

一方、Slack ではチャネル内にチャネルを持つことはできません。現状では、この対策はサブチャネルを反映させたチャネル名付けるほかありません。 

Slack は「チャンネルが多すぎる」ことはない、としています。ですが、作成したチーム内にチャンネルを作れるというのは管理者にとって大きなメリットです。この機能がないと、利用環境においてスプロールやコラボレーション グループの増殖を抑制するのが非常に困難になるでしょう。 

セキュリティとコンプライアンス 

Microsoft Teams の特筆すべき強みのひとつが、管理の制御とデータ セキュリティです。 

Microsoft Teams も Slack も、ISO/IEC 27001 等のコンプライアンス認証を受けており、データの暗号化や二要素認証といった機能を有します。しかし、Microsoft は 4 層にわたるコンプライアンスの枠組みを提唱しており、データ セキュリティ重視の姿勢を明確にしています。このうち、Microsoft Teams は D 層に分類されています。つまり Microsoft は Teams のコンプライアンスへのコミットメントを最高レベルとして設定しており、すべてのサービスがデフォルトで有効になっています。 

さらに Microsoft Teams は、ほかのどのプラットフォームよりも広範囲にわたって管理制御が可能で、メンバーや所有者、ファイル、SharePoint の権限の変更など、きめ細かく制御できます。また、チャット コンテンツや Teams 内のファイルにも使える DLP やデータ ガバナンスの制御機能が用意されています。 

主な相違点 

Microsoft の製品である Microsoft Teams のプラットフォームは、Office 365 とシームレスに連携できます。Word ドキュメントや PowerPoint のスライド、OneNote で作業するにあたって Teams から離れる必要も、動画やドキュメント ファイルへアクセスするためにアップロードやダウンロードする必要もありません。 

Microsoft Teams は、企業コラボレーションのニーズに重点を置いています。そのため、セキュリティやコンプライアンス対策が充実しているほか、ワークスペースとアプリケーションがよりシームレスに統合されています。 

とはいえ、Slack はユーザーから大きな支持を集めています。Slack は、多彩な統合と機能によって、職場における新しく楽しいコラボレーションの手法を切り開いてきました。また、Slack のモバイル アプリも、デスクトップ版により近い体験を得られるように改良されています。 

一方、Slack の最大の欠点が、ファイルの保存とチャット以外の機能が本質的には統合されていないことです。そのため、コラボレーション コンテンツを編集または整理したい場合や、メール サービスを利用したい場合は、別途料金を支払ってほかのツールを使う必要があります。 

それに加えて Teams が含まれている Office 365 の最低価格プランは Slack の最低価格プランよりも料金が安くなっており、企業は Microsoft Teams に移行することでコストを削減できることが少なくありません。

microsoft teams

Google は強固なパートナー エコシステムを構築しており、Google Meet や Google Workspace (旧称: G-Suite)、リアルタイム メッセージ アプリといったサービスを集約していくことが予想されています。そのため、これが Slack の終わりの始まりになるのでは、と考える企業も存在します。 

しかし、現時点ではチャット コラボレーション プラットフォームの代表といえば Slack と Microsoft Teams であり、いずれも効率的でモダンな職場を実現するには欠かせない存在となっています。より優れたプラットフォームをめぐり激しい争いを繰り広げている Slack と Microsoft Teams、あなたはどちらを選びますか? 

 

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