コンプライアンス・IT 担当者は、「従業員によるファイル共有は社内のポリシーに沿ったものであるか」「個人情報が含まれているファイルが不特定多数の人がアクセス可能な場所に保管されていないか」 などを監視する役割を担っていますが、組織や企業で作成されるデータの膨大さを考えると、すべてを完全にカバーし、完璧な保護を IT 部門やコンプライアンス部門だけで実行するのは、非効率的であり非現実的であるともいえます。
情報セキュリティ対策を効率的に運用させるためのキーポイントのひとつは、IT 部門・コンプライアンス部門が、実際にファイルの作成・更新している現場のメンバーと緊密な連携をすることです。これは例えば、セキュリティ インシデントの対応を IT 部門・コンプライアンス部門がすべて実行するのでなく、一部は現場の担当者に対処してもらう、などという方法で実現できます。そして、このような 「組織内振り分け」 を実現するのが、AvePoint Compliance Guardian なのです。
次のセクションでは、この 「振り分け」 のユースケースを、現実のシナリオに沿ってご紹介します。
保険会社 X 社のセキュリティ対策の場合
情報セキュリティ対策のために AvePoint Compliance Guardian を導入している保険会社 X 社では、営業部をはじめ様々な部門で、SharePoint と Yammer を利用しており、ポータルなどでの資料共有および社内コミュニケーションを行っています。
X 社では、部門長の A さん、部下で営業部門のセキュリティ情報監査を担当する B さんからなる IT 部門が、セキュリティ関連の問題解決を担当しています。また、営業部門では、C 部長、D 課長、一般社員の E さんなどが働いています。
主業務を保険業とする X 社は、大量の顧客個人情報を保有しており、特に営業部門では、大量の新規の保険申請者の情報を日常的に扱っています。社内ポリシーにより、お客様の個人情報の取り扱いは、営業部門が厳重に管理し、アクセスが限られる場所に保管することが義務付けられています。
SharePoint でセキュリティ インシデントが発生? IT 部門・営業部門の連携で対応
IT 部門は、Compliance Guardian を使って、SharePoint ・Yammer で毎日実行されている、ファイルのアップロード・更新などのアクションを常時モニタリングしています。
ある日の業務時間。営業部メンバーの E さんが、個人情報が含まれているファイルを SharePoint にアップロードしようとしているのを Compliance Guardian が検知しました。アップロード先の SharePoint のライブラリには、他部署の人員もアクセス可能であるため、このアップロードは情報管理ポリシーに違反している可能性があります。
B さんは、他部署と比べて営業部門のインシデント件数が多いことに気付きました。情報保護の取り扱いに関する社内規定を今一度、営業メンバーに周知させる必要があるようです。
B さんは上司の A 部長に Compliance Guardian から出力したレポートとともに、営業部のセキュリティ状況について報告しました。事態の深刻さを認識したA 部長は、営業部の C 部長に対し、インシデント件数が多い社員を集めた情報セキュリティの研修を実施してはどうかと進言することを決めました。